プリプリの良型マアジを狙おうと福井・小浜市仏谷の「奥城丸渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の筏へ3日、釣行した。月に数回は同所へ通う浦丸利秀さん、あさみさん夫妻とともに双児島の筏へ上がり、サビキ釣りで挑戦。アジの時合は短く、私は25~28センチを8匹どまりだったが、浦丸さん夫妻は4本の竿でタナを探り分け同型を25匹食わせた。時合が終わると仕掛けを交換しウマヅラハギやグレ、サンバソウなども多数ゲット。中型クーラーを満タンにする常連の技をみせつけられた。

筏といえばダンゴのチヌ釣りが頭に浮かぶが、仏谷の筏は他魚狙いもかなり面白い。マアジやサンバソウ、アオリイカ、ヒラメなど、魚種が豊富でサイズも良く、まるで船釣りをしているような感覚が楽しめる。

上がったのは、水深が15メートル前後ある双児島の筏。ここは潮通しがよく、底に岩礁が点在している好ポイントだ。午前6時すぎ、北向きに浦丸さん夫妻が並び、背中越しに私が入ってサビキ釣りを開始した。

マアジは早朝1時間が勝負。するとすぐに勝手知ったる浦丸さんが「回って来たよ。竿1本ぐらいで釣れました」と25センチのマアジを手ににっこり。底を狙っていた私は「え、そんなに浅いんですか」とすぐに仕掛けを回収。コマセカゴにアミエビを詰め直し、水深約5メートルで竿を振るとギュギュギュと竿先が締め込まれる。

追い食いは狙わず口切れに注意しながら引き上げたのは27センチのプリプリマアジだった。こんな刺し身クラスがクーラー満タンの日もあるというが、この日はアジの群れが小さく、連発とはいかなかった。それでも、掛かれば25センチ前後の良型ばかり。1匹ずつ丁寧に釣っていく。一方、浦丸さん夫妻は常連だけあってマアジのタナをとらえるのがとてもうまい。4本の竿でタナを探り、ヒットレンジをみつけては次々にマアジをゲット。午前8時までに22~28センチを25匹釣り上げた。コツは「少量のまき餌で釣ること。1度に大量のまき餌をまくとタナがボケてしまうからダメです」と話す。

マアジの時合が終わると浦丸さん夫妻はすかさず仕掛けを交換。今度はゴカイを刺し餌、アミエビをまき餌にした天秤フカセ釣り(タナ1ヒロ)でグレやサンバソウを、オキアミを刺し餌にした胴突き仕掛けで底を狙い、ウマヅラハギを次から次へと釣っていく。

置き竿の簡単な釣りだが釣り方、タナを知り尽くした常連の技を見せつけられた。サビキしかない私はひたすらマアジの回遊を待つが、追加はなく25~28センチのマアジを8匹でフィニッシュ。グレやサンバソウが上層に乱舞する姿が見えたので次はフカセ釣りで狙うのも面白そうだなと思った。

結局、浦丸さん夫妻は午後1時までに22~30センチのグレを8匹に、20~24のウマヅラハギを18匹、22~25センチのサンバソウも5匹釣りあげて納竿。筏は足場がいいので、家族連れやカップルにもお薦め。貸し切りにすれば、ポイントを独り占めできるところもいいなと思いながら筏を後にした。【日刊FPC・兵頭良弘】

【今後の見通し】マアジ、グレ、サンバソウなどは12月上旬まで数釣りが楽しめそう。筏によっては30センチを超えるマアジも回っているので面白い。ほかにも、チヌの食いが活発で、水温の低下とともに大型の食いが上向くと思われる。エギやヤエン仕掛けで良型のアオリも狙える。

【問い合わせ】奥城丸渡船【電話】0770・52・2845。渡船料金は児島方面3500円、双児島、萩ノ下方面4000円。素泊まり2000円。

【交通】舞鶴若狭自動車道の小浜ICを出て右折。南川大橋東詰の信号を右折し、土手沿いに走り、2つ目の信号を右折し、国道162号へ。阿納尻の信号を左折し、泊方面へ走りトンネルの手前で左折し仏谷へ。