脂がよく乗っていてうまい寒のタチウオを求めて兵庫・明石の「丸松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で明石から淡路島の洲本沖へ出た。小、中型が中心ながら朝イチから小さな前アタリが頻発。餌持ちのいいサンマの切り身で手返しよく釣った人が釣果を伸ばし、竿頭で65~95センチを32匹釣り上げた。魚影がかなり濃いようなので、しばらくは数釣りが楽しめそうだ。【近江康輔】

洲本沖はタチウオの大きな群れが入っており、食いダナを的確にとらえ、手返しよく釣る人が釣果を伸ばした。朝イチは水深50メートルの浅場に入った。狙ったのは底から10メートルほど上まで。冷凍のイワシを餌にしたテンヤ仕掛けを底まで落とし、竿を上下する誘いをかけながら引き上げると1投目から70センチ級がハリ掛かり。

次も釣れたタナをダイレクトに狙うとすぐにガンガンと竿を絞り込む。タチウオは小型でも、引きが強いので面白い。小さな前アタリが出たあと、チョンチョンとゆっくり誘い上げ、止めて待つとすぐに竿先をもっていく。だが、1匹釣れるごとにイワシを付け替えるのが手間で記者はリズムに乗りきれない。

そんな中、餌持ちのいいサンマの切り身を使う船尾のベテランたちは快調に釣っていく。「こんな日はサンマの切り身に限る。手間いらずでなんぼでも釣れるよ。この時期のタチウオは脂がよく乗っていてうまいぞ」。大阪湾のタチウオ釣りに魅せられ、岡山から通う福本末男さんが小、中型を次々に抜き上げる。

その隣では、明石の大久保雅彦さんが良型のタチウオをダブルヒットさせてえびす顔。「寒の時期は誘いをかけたあとにテンヤをしっかり止めて本食いを待つことがなによりも大事。特に大きいやつはね。テンヤにダブルで掛かったのもその効果かも」と話す。

午前10時ごろからは水深80メートルの深場へ入ると、サイズアップし、時折、90センチ超が交じりだす。底から5メートルほど切って、竿をしゃしくり上げてからテンションフォールさせる記者にも、90センチが釣れ、にんまり。

右舷では若手の辻田健束さん(たつの市)や地元の高橋幸司さんがジャーク&ステイやストップ&ゴーで入れ掛かり。2人で競うように釣っていき、電動リールの巻き上げ音を響かせる。海の底はタチウオだらけかと思うほどアタリが多く、数釣りを満喫したところで風が強まった正午前に納竿。竿頭は福本さんで65~95センチを32匹釣り上げた。

【今後の見通し】タチウオは潮色次第。濁りがない日なら数釣りが期待でき、深場でドラゴンクラスも狙える。水温が例年よりも高いため、洲本沖にタチウオの群れが留まっている感じで2月末まで数、型ともに期待できる。港に帰ったあとの炊き出しサービス(3月31日まで)も楽しみ。

【問い合わせ】丸松乗合船【電話】090・6981・4620。洲本沖への乗合船料金は8000円(餌付き)。午前6時までに集合(季節により変動あり)。少し西の林崎漁港には、小松乗合船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】078・923・8711がある。

【交通】JR山陽本線・明石駅下車、タクシーで約5分(同駅まで送迎あり、要予約)。車は第二神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。和坂の信号を左折し同2号へ。明石大橋を渡り、すぐの信号を右折。明石浦漁協前を右折。約200メートルで左手に丸松乗合船の受付事務所がある。