家族でハイキングと釣りをしませんか? 神奈川・久里浜と千葉・金谷を約40分で結ぶ東京湾フェリーが、コロナ禍におけるアウトドアイベントを実施。全員マスク着用で、密にならずに房総の絶景を眺められる鋸(のこぎり)山に登って、黄金アジ釣り体験をしました。最後はアジをさばいてフライでおいしく食べちゃった。歓喜の声でにぎわった模様を写真と動画でお伝えします。

ありそうでなかったイベントだ。金谷「光進丸」の岡澤裕治親方は「鋸山に登るのと、黄金アジを釣るのを一緒にしちゃう。考えつかないけど、こりゃ、楽しいに決まってますね」と声をはずませた。

埼玉、千葉、神奈川から3家族が別々に申し込み、この日初めて顔を合わせた。大人5人、小学生5人、そして4歳と5歳の男の子の12人全員が鋸山も初めてで、船で釣りをしたこともなかった。

9時過ぎに東京湾フェリー金谷発着所に集合。ここが駐車場になり、アジをさばいてフライを食べる“基地”となった。まだ何もやっていないけれど、子どもらは「オレ、鋸山の頂上に一番乗りする」「ワタシはアジをいっぱい釣りたい」と、やる気の熱量が破裂しそうな勢いだ。

金谷発着所から徒歩で10分ほど歩いて鋸山ロープウェー山麓駅へ。標高329メートルの山頂駅に到着して、断崖絶壁の「地獄ののぞき」まで「歩けない」と宣言していた4歳男児は、山頂の涼しい気候に背中を押されたのか、スキップをするように山道を歩いていった。参加者全員が山道を歩いて、無事にロープウェーで金谷港までたどりついた。

光進丸では名物の黄金アジ釣りで、特別に午後便で2時間乗船の行程をつくってもらった。40センチ前後の大型も釣れているが、今回担当した町田崇船長が「釣れるプルルンという魚のアタリを感じてもらいたいので、ちょっと小さいけどよく釣れるポイントにいきます」と近場の水深12メートルの浅場に船を回した。

海面から10メートル、道糸を送って止めるだけ。サオもリールも、コマセのイワシミンチも、ハリに刺すアオイソメも、初めて触るものばかりだったけど、子どもらはすぐに慣れて「うわっ、アジだよ、アジ」「この赤い魚は何? えっ、ベラ、きれいだね」とアタリの感触を手に感じて、釣れた魚を見て大喜びしていた。

船はきっかり2時間で、全員が10匹以上釣る大漁だった。釣った魚が15センチ前後と小さいので、東京湾フェリーが用意したアジで三枚おろしを練習。さばいた切り身はレストランの料理人がフライにしてくれた。「すんげえ、うまーい」「これなら何匹でも食べられる」とアジフライをバクバク。山に登って、海で釣りをして、魚をさばいて、フライを食べる。

帰りの車の中では子どもらはみんなぐっすり眠り込んでしまったという。東京湾フェリーでは「コロナ禍の中、安心して参加いただけるイベントをどう提供できるか。今回はその第1歩だと思っています」と結んだ。また、鋸山登山と黄金アジ釣りに来てね。【寺沢卓】

▼金谷「光進丸」 【電話】0439・69・2697。黄金アジとウイリー五目、そしてカワハギで出船しています。今回は普段は出船していない特別船でした。釣りのことでしたら、何でもお気軽に電話してください。