タチウオの好釣果が続く、兵庫・神戸沖へ先日、明石・林崎漁港の「小松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で出た。水深65メートルほどのポイントに入ると、朝イチから小、中型が入れ掛かり。日が照りだすと、食いが渋くなったがスローな誘いに大物がヒット。広田真生さん(姫路市)が120センチのドラゴンを仕留めるなど、メーター超が数匹上がり、ロッドをガンガンガンと締め込む荒っぽい引きを楽しんだ。竿頭は紅一点がんばりをみせた川瀬光子さん(高槻市)で70~100センチを32匹釣り上げた。

「合わせた瞬間、ゴンとロッドに重みが乗る重量感たっぷりの手応えがたまらない」。メーターを超えるタチウオの豪快な引きにみせられた人たちが口をそろえる。しかし、ドラゴン級の大物はそう簡単には釣れない。上がっても船中で2、3匹。そんな、幸運に恵まれたのは船尾の広田さん。「ストップ&ゴーで底からゆっくり誘い上げたら、止めた瞬間に食ってきました」と、迫力満点の魚体をした120センチ(指7本幅)を手に声を弾ませる。

この日は朝イチから小、中型が入れ掛かりで、記者も1時間ほどで釣れっぱなし。なんぼでも釣れるわと思っていたら、午前8時ごろに潮が止まり、日が照りだすとペースダウン。ここからが腕のみせどころ。いろんな誘いを試して数を伸ばすか、広田さんのように大型に狙いを絞ってゆっくり探るかの分かれ道。

右舷前方では明石の上山和良さんが大物一本狙いで勝負。底から10メートルほど上までをノンアクションのスロー引きで我慢強く探っていくと、潮が動きだした同9時ごろにガツーンと針掛かり。ロッドをグイグイ絞ったのは115センチ、指5本幅の良型だった。「ゆっくり引くとアタリは減るけど、でかいのが食う確率が高いんですよ。いつ食ってくるのかと待ち続け、ロッドがグーンとしなったときの大物への期待感がたまらないね」と満足顔を浮かべる。

一方、数釣りは最高73匹、最大140センチのタチウオを釣ったことがあるという女性アングラーの川瀬さんが奮闘。「タチウオ釣りはタナを探しだすのが面白いんです」と、ズル引きに時折、アクションを加える釣り方で的確に群れをとらえ、電動リールの巻き上げ音を響かせる。「朝は中層に浮いていたけど、潮止まりのあとは底から5メートル上まででアタってきます。小さめのイワシを付けると、食いがいいですよ」とにっこり。

女性らしいソフトな誘いがタチウオを油断させるのか、他を圧倒するペースで釣り続け70~100センチを32匹釣り上げた。記者も、冷凍イワシを生きた魚のように泳がせるイメージで竿先を上下しながら引き上げ、なんとか同型を19匹キープ。タチウオは狙うサイズ、時間帯、ポイントによって引く速さ、誘いの大小をいろいろ試しながら釣っていくゲーム性の高さが面白いなとあらためて実感した。【近江康輔】

【問い合わせ】小松乗合船【電話】078・923・8711。乗合船料金1人8000円(エサ付き、税込み)。集合時間は要確認。木曜日定休。ほかにも明石に丸松乗合船【電話】090・6981・4620がある。

【交通】第二神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。和坂交差点を直進。山陽電鉄の踏切を越え、林小学校前の信号を右折し県道718号へ。3つ目の信号を左折。林崎漁港内の乗合船待合所へ。

【今後の見通し】神戸沖のタチウオは群れが大きいようで期待できそうだ。小潮回りに出船し、2月末まで狙える。潮が大きい日は青ものもお薦め。こちらも、メジロやハマチがよく釣れている。