静岡・清水港 大型クロダイ狙いダンゴ釣り

<幸之介と釣りしましょ!!>

 ダンゴをあげて魚を誘う-。雄大な富士山を望む静岡・清水港で、桃太郎気分の「ダンゴ釣り」に初挑戦した。狙うは産卵期を迎え、駿河湾内に戻ってくる50センチ超の大型クロダイ。清水「原金つり船」にて、15年度の日刊スポーツ船釣りブロックでクロダイ年間大賞に輝いた山本恭士さん(47)と共にクロダイを退治、いや、お供にすべく出かけた模様をリポートする。

 出船の午前6時。「最高の天気だ」と、山本さんがつぶやいた。風もなく、空気は澄み、晴れ上がった青空には雄大な富士山…。山本さんの言うとおり、釣る前から気分は最高である。

 期待を込めて小船に乗り、エンジン船にえい航されてポイントへ向かう。今回はポイントで、船を固定して釣る「かかり釣り」。山本さんが昨年8月の数釣りの時期に、1日で中型クロダイ115匹釣った時と同じ場所だ。

 この釣りは、いかに“おいしい”ダンゴを作るかが釣果に影響する。おから、砂利、蚕のさなぎの粉末に、山本さんはにんにくと米ぬか、麦を加える。特に寒い時期はにんにくが効果的という。水を加えて握ったダンゴに、オキアミをつけたハリを埋め込み、これをオモリにして海へ落とす。底で割れたダンゴで魚を集め、姿を現したオキアミに食い付かせるのだ。

 クロダイは注意深く、アタリも繊細なため、サオ先のわずかな揺れ、動きに集中しないと釣り上げるのは難しい。どんなにおいしいダンゴを作っても、なかなか「お供」にできない魚。だからこそ多くの釣り人がチャレンジする。

 午前中は本命ヒットはならず。ただ原金の吉原浩二船長(52)によると、最近は午後によく釣れるという。「ここからが勝負だ」と山本さんと気を引き締め、アタリを待った。すると「ブルルン!」。山本さんのサオが動いた。ゆっくりと合わせて確実にハリをのみ込ませ、一気にリールを巻く。「こい、こい!」と山本さん。だが釣れたのは40センチほどのヒラメだった。残念ながらここでタイムアップとなった。

 一方、他のポイントでは釣り歴30年の長坂裕康さん(51)が、パンパンに身の締まった41センチのクロダイをゲット。愛知県刈谷市からの釣行という。「唯一のアタリ。あとはボラだったのでとれてよかったです」と笑顔だった。

 初のダンゴ釣りはあえなくボウズとなってしまったが、本命の姿は確かに海にあった。もう少しうまくダンゴを握らないとクロダイは食らいついてくれないのか。未熟さを痛感しながら、空を見上げた午後3時。富士山は、雲に隠れていた。【松尾幸之介】

 ▼船 清水「原金つり船」。3、4月は午前6時出船。5~8月は午前5時半でいずれも午後3時港着。料金は平日1人6696円、2人9072円、3人1万1448円。土日祝は1人8316円、2人1万800円、3人1万2960円。子供は中学3年(15歳)まで大人同伴で1人1000円。車代540円。雨天でも船にはテントがあり、ゴザや座布団、冬季は火鉢もある。昼は幕の内弁当や丼もの、火鉢での鍋焼きうどんなども選べ、親船で運ばれてくる。清水港のクロダイ釣りは、その至れり尽くせりのもてなしから「大名釣り」とも呼ばれる。【電話】054・352・3065。