<哀川翔 魂のアタリ!!!!!!!!>
東日本大震災以降、俳優哀川翔(55)は毎年、東北を訪れて、釣りをしている。翔アニキは、こう言う。「東北は魚の宝庫だよ。それを知ってもらいたい」。今回は、宮城・亘理港にやってきた。史上初めて東北に上陸した台風10号が迫る8月27日、荒れる海でヒラメを狙った。当然、シブい。だけど、アニキは当たり前のように3キロ超を釣り上げた。
なんだ、この風は? やけに、ほっぺたを刺激するじゃねーか。決して、船を出すという状況じゃない。亘理「大海丸」を操舵(そうだ)する山川大海船長には、本当に感謝したい。こんな日に船を出してくれた。男の心意気に応えないわけにはいかない。釣りは、自然を相手に自問自答する繰り返しだ。釣り人だけじゃなくて船長も闘ってくれた。うれしいじゃないか。
東北を縦断した台風10号。8月30日、東北各地に爪痕を残したけど、その3日前に荒れ狂う亘理の海に飛び出した。釣れる感じはしなかったねぇ。あるはずの気配を感じない。釣り人にしか伝わらない魚のシックスセンス、それが、この海は、この日の亘理沖には薄かった。
それでも魚はいる。間違いなくいる。その魚をどうやっておびき出すか? セオリーは大事だ。だけど、釣れないときにみんなと同じことをやっていては、何も打開できない。
いい意味で、どう踏み外せるのか。魚と真剣に向き合って、魚と格闘するか。釣況が悪いときこそ、釣り人が試されているんだ。それが、本当の釣りだと思っている。
漁場まで約1時間。水深は40~50メートルと、ヒラメにしてはやや深い。生きたイワシの鼻にハリを刺して、背中に孫バリを打つ。オモリ50号を落として、着底したら、ちょっとだけ浮かせてアタリを待つ。
これがセオリーだ。重要だし、このセオリーを守って、釣らないといけない…と、言ったところで、同じことを繰り返しても、何も打開しない。
親戚のスギちゃんが外道のイナダを釣り上げた。しかし、いくら対象魚種ではないからといって、外道は失礼であろう。外道が掛かるからこそ、豊かな海といえるのだ。魚がいることが、よ~~~く、分かった。あとはセオリーをどう崩すか。どう崩さないか。釣りはこれだから、楽しい。
ヒラメが来た。かなり引く。オモリを浮かさずに底でズリズリ。イワシの行動範囲を狭め、ヒラメに食わせやすくした。隣に座ってくれた大海丸のベテランで、オレと同学年の佐藤昌明さん(54=福島・桑折町)がタモ網で待ち構える。滑るように網の中に魚体が入った。いいヒラメだ。全長68センチ、重さは3キロ超だった。これだから釣りは燃えるんだ。
ヘアアーティストのノブさんがイナダを釣った。そして終了間際に佐藤さんが約1・5キロのヒラメをゲットした。他船は、とっくに引き揚げていた。大海船長、最後まで残ってくれてありがとう。
釣りをしたのが8月27日。翌28日からNHK大河ドラマ「真田丸」で、豊臣秀頼(中川大志)に仕える後藤又兵衛での出演がスタートした。ヒラメが釣れたのはこれは吉兆だな。
港に戻った。昨年9月に開業した、大海丸の系列店「海鮮大海」に移動して昼食をとった。めちゃくちゃおいしい。その日の朝の漁でとれたばかりをいただける。釣りとセットで決まりだろう。次回の亘理「大海丸」の釣行、何にしよう。カレイも悪くない。本気で考えよう。【構成・撮影 寺沢卓】
▼宿 宮城・亘理「大海丸」【電話】0223・23・1238。ヒラメ乗り合いは、午前4時30分集合、エサ、氷付きで1万円。亘理港からすぐの場所に食事どころ「海鮮大海」【電話】090・2795・8087。午前11時~午後3時。定休日は月、火曜。