伊豆のメジナ絶好調46・7センチも/メジナダービー

元日に大瀬から出船して46・7センチの大型を釣りあげた富山繁樹さんは、満足の表情

<フィッシング・ルポ>

 新年あけましておめでとうございます。2017年の釣り面は、いろいろな釣りもの、そして、初心者やビギナーの方々でも読んで理解できる釣り面を目指して取り組んでいきます。さて、元日から絶好調なのが、伊豆半島の磯のメジナ釣りだ。昨年12月1日からスタートした「磯メジナ伊豆半島ダービー」では、40センチ台の大型が連日釣れている。今後の展望も含めて年末からの様子をリポートする。

 元日の南伊豆・大瀬。夜明け前から40人近くの釣り人が港に集結した。船釣りでは2日からの営業が普通だが、磯釣りファンは元日から動きだす。自分の好きな磯場ポイントから初日の出を拝んで釣りをする。1年の始まりは、ちょっと儀式的ではあるが、ゆっくりと顔を出してくるまっ赤な太陽を目に焼き付けることから始まるのだ。

 温暖化の影響なのか、例年よりも寒くない。潮温は昨年12月からなかなか17度から下がらなかったが、天皇誕生日の23日にカクンと16度台に落ちた。30センチ台のメジナが水面下で群れで泳いでいたが、その姿も目視できないぐらいに散っていた。

 30センチ台のメジナが「上ずっている」うちは、そのさらに下層エリアにいる40センチ超のメジナは様子をジッ、とみているだけで動かない。16度台の潮温度になって、ようやく大物メジナにもスイッチが入ってきた。

 元日から大瀬「倉の下」(山本良一代表)では46・7センチのメジナが飛び出した。ダービー常連の富山繁樹さん(49=山梨・早川町)が貫太郎で釣りあげた。「北西を向いている釣り場なので、気付いたら太陽が上がっていました。初日の出は見逃してしまいました」と富山さんは頭をかいた。その代わりに大物をゲットできた。

 貫太郎は、起伏の激しい底で、水深は7~13メートル。潮の通りもいいポイントで、どう流れの速さに対応するかがカギになる。速い潮がある分、大きなメジナにも恵まれる。大型ハンターにとっては「おいしい」磯場であることには間違いない。「鉛をつけないで、うまいことサラシに吸い込まれて、深場までエサが落ちていったみたいです」と富山さんは話した。

 良一代表は「富山さんと貫太郎の相性はいいですね。貫太郎が好きみたいで、いつも乗ってますね」と話し「本当はダービーに参加できる35センチ以上のメジナも釣ってました」。しかし、富山さんは46・7センチだけを計測にまわし、35センチ前後のメジナはすべてリリースしている。「できれば40センチ以上で勝負したい。もしかしたら3匹そろわないかもしれないけど、これでうまく上位に顔をだせたらいい」と真剣な表情でつぶやいた。

 現在トップの原田学さん(38=焼津市)は45・5センチ、44・6センチ、43センチで3匹全長は133・1センチ。富山さんが釣れた3匹の合計を出していたなら、順位は下位に沈んでいた。

 これから潮温が14~15度台で落ち着いてくれば、深いタナで大型がくらいついてくる。現在、富山さんの報告釣果は、この1匹。今後、大型の期待は高まる。40センチ台をそろえて、富山さんがいきなりトップ10に躍り出る可能性もありそうだ。

 現在、首位の原田さんは「いつもよりも釣り場に人が多い。プレッシャーが強いですね。頑張りますよ」と話した。大瀬「倉の下」で12月4日から参加し、常に40センチ台を記録している。すべて得意な中根。大型は深場で釣れた。エサを落とし込む途中でガツン。「バラシもいくつかありました。印象としては40センチ後半はいそうな感じ。その日の潮をつかんで、広く探って、大型が潜んでいそうな場所をみつけて、ピンポイントで攻める」とこの1カ月を振り返った。「周囲からは『最初だけだよ、失速するから』と冷やかされてますが、期待を裏切って、さらなる大型を釣りますよ」と話した。

 2位は大沢雄一さん(44=東京・小金井市)は石廊崎「橋本屋」から挑んだ。12月7日から4週連続でサオを出した。「19日までは魚が上ずっていたけど、26日に43・8センチを釣ったときには、魚が散っていて、深場を探るような釣り。ようやく寒グレというイメージになってきた」と証言。本格的に大型が動き始めているようだ。

 3位の勝見伸一さん(50=千葉・市川市)は雲見「佐市丸」から、12月19日に44・5センチ、26日に41センチを釣り上げた。潮の流れの緩いタイミングを狙った。「潮だまりのようなとろんとした場所をぐるんと回遊していると思った。なんとか合わせることができました」と振り返る。今後の攻め方について「いかに深い場所に落とせるか。ハリスを細くしないと警戒される可能性はある。これからが勝負です」と気持ちを引き締めていた。

 橋本屋の山本一人代表は「いつもよりもいいサイズが出てますね。でも、本番は1月から2月。これからですよ、これから」と今後をにらんだ。

 ◆ダービールール 昨年12月1日から2月28日までの期日で、メジナ3匹の合計全長で競う。期間中であれば何度でも挑戦できて、1匹からの入れ替えが可能。曜日に関係なくエントリーできるので、土日に仕事のある釣り人でも参加できる。参加費は1000円で、参加賞は「日刊スポーツ」のロゴの入ったギョサン。対象の宿は、雲見「佐市丸」、石廊崎「橋本屋」、大瀬「倉の下」で、1度エントリーすればどこからでも出ることができる。

 1~10位には豪華賞品、17位から下1ケタ「7」の順位には飛び賞も用意。