ヘラ釣り 基本応用して多彩な場所攻める

紀の川で釣り上げた良型ヘラブナを手に笑顔の筆者。こんなふうにヘラブナ釣りを楽しんでください

<藤井秀和のヘラブナ釣り講座:実践編その3>

 「藤井秀和のヘラブナ釣り講座」もいよいよ最終回。管理池での「両グルテンの底釣り」がこなせるようになったら、次のステップです。ヘラ釣りは季節やフィールド、状況によって釣り方はさまざま。新ベラの多い池や寒い冬場、春先などでの攻め方を解説します。春も間近です。これまでこの講座で得た知識、技術をもって、ぜひヘラブナ釣りへ出かけて下さい!

 これまでの連載で、管理池での両グルテンの底釣りについて解説してきました。季節や場所で釣り方も違うのがヘラブナ釣り。基本を押さえたところで、最後のステップです。寒い時期の釣り、そして春の釣り。季節に応じた釣り方、攻め方などを説明して、このヘラブナ講座を終えようと思います。

 ◆新ベラの多い池 新ベラが多く入った池などでは、音に敏感な魚は人の少ないポイントやサオの届かない場所、池のかけ上がり(底が傾斜している部分)などに多く付き、水深1~2メートル前後を回遊していることがよくあります。そういう場所では、両グルテンの宙釣りをやってみて下さい。エサは底釣りのエサとは少し違います。エサの圧のかけ方や、宙釣り用の、マッシュの抜けの良いボソッとした感じのグルテンを使用します。また、ウキのナジミも宙釣りと大きく違ってきます。宙釣りはエサが底に着いていないので、いろんなサワリ、アタリが底釣りより多く出ます。その中でいかに食いアタリだけを合わせていくかが面白さです。

 ◆厳冬期のセット釣り 真冬になると両グルテンでじっくり待つのも手ですが、ここでもう1つステップアップするために、麩(ふ)のバラケとクワセ(セット釣り)に挑戦してみて下さい。厳寒期は、ヘラブナの食いは極端に悪くなります。上のハリにバラケ(寄せエサ)を付け、下のハリにウドンや即席ウドンを付けます。また、上のハリには麩のバラケを付けるため4~6号くらいのハリを、下には1~3号くらいの小さなハリを付けます。上下のハリスの段差(長さの差)も大きく取り、魚の食いを誘います。

 ◆春のヘラ釣り 春には日照時間が長くなり、水温、気温も徐々に上昇、魚の活性も高まり食いが活発になってきます。5月の終盤ともなれば、さらに魚の活性は上がり、麩の両ダンゴや両トロロのエサも食い始めます。また、フィールドの違う野釣りなどでは、巣離れが行われ、ヘラブナが岸辺に寄って産卵する「乗っ込み」が始まります。野池やダム湖、川では、特に大型が釣れる時期でもあります。野釣りでも、サオの長さや仕掛けは違うものの、グルテンエサは必要不可欠なものです。管理池で両グルテンの釣りをマスターしていれば違うフィールドに行っても役に立つはずです。サオ、エサ、ハリ、ウキ、糸、小物類に至るまで、釣るフィールドによって必要な道具はさまざまですが、その釣りにあった道具を少しずつそろえるといいでしょう。

 この連載が少しでも、みなさんのヘラブナ釣りのお役に立てば幸いです。私はほとんど毎週、管理池や野釣りに出かけています。もしどこかで見かけたら、気軽に声をかけてください。

 ◆藤井秀和(ふじい・ひでかず)1956年(昭31)1月29日、大阪府茨木市生まれ、同市在住。ヘラブナ釣り歴48年。がまかつフィールドテスター、東レフィールドスタッフ、マルキユーアドバイザー。「へら研阪神クラブ」「チームトライ」所属。管理池のホームグラウンドは「茨木新池」。また加古川などの川、ダム湖、野池での釣りを得意とする。