西日本 3月1日からアマゴ順次解禁、清流に春来る

釣り上げたアマゴを手にする筆者(和歌山・有田川支流の湯川川)

<渓流FISHING>

 待望の渓流シーズンがいよいよ開幕。清流に春の訪れを告げるアマゴ、イワナなどの渓流釣りが3月1日から西日本の主要河川で順次、解禁される。日本海側は大寒波の影響で例年よりも積雪が多く盛期が遅れそう。近畿の南部でも1月下旬に大雪が降るなど、今年の冬は寒暖差が非常に大きいのが特徴。釣行前に天気予報をチェックし水況や雪の状況を確認したい。紀伊半島は昨秋から初冬の気温が高めだったことと、水況が良い河川が多いので成育が期待できる。以下に各地から届いた情報を紹介しよう。

 ◆近畿地区

 【滋賀県】

 安曇川・朽木は北川・麻生川・針畑川の上流部にアマゴ、イワナの稚魚を放流。今年は雪が多く、釣行前に要確認。

 【京都府】

 美山川は例年よりも雪が多く、上流部は雪が残りそうだ。天然狙いなら、放流量が多い深見川が良さそう。棚野川にアマゴ成魚濃密放流区あり。上桂川は水況が良く成育も期待出来そうだ。解禁当初は広河原、花背地区で成魚の数釣りが楽しめそう。谷の方は雪が残りそうなので電話確認を。

 【奈良県】

 十津川は稚魚放流のみ、準天然が釣れる。大野川、西川上流がオススメ。天ノ川は解禁前に成魚放流され、解禁後にも、追加放流される。川迫ダム上流は、稚魚放流のみで準天然アマゴが釣れる。川原樋川は4月9日が解禁。水温も上昇してきて活発な食いが期待出来そうだ。初日は日券のみ。

 【和歌山県】

 有田川は花園地区上流と各支流がオススメだ。本流はアユの稚魚が放流されるころからルアーで良型が狙えるだろう。日高川・龍神は宮代から上流と各支流が狙い目になる。例年よりも水量が多くて、魚も見えており成育も良さそうだ。また今年は解禁前の27~28日に宮代キャンプ場周辺と龍神温泉周辺2カ所に成魚18センチ前後を200キロ(約4000匹)放流予定。初心者の方にも数釣りが楽しめそうだ。日置川は昨年6月に稚魚6万匹を放流。2年前に発眼卵放流されたものがそろそろ釣れだしそう。成育に期待。支流、前ノ川がオススメ。古座川は支流小川の滝ノ拝から上流、宇筒谷が良さそう。本流は数が出ないもののルアーで良型が狙える。熊野川は放流量が多い支流四村川の上流部が数釣りが期待出来そうだ。

 【兵庫県】

 揖保川は支流にアマゴ、イワナ、ニジマスの稚魚を放流。水況も良く成育良好。解禁前に成魚放流あり、例年よりも雪が多い。4月23日にアマゴ釣り大会が開催される。千種川は西河内周辺が良さそう。

 ◆中国・四国地区

 【中国】

 鳥取・日野川は調査のためアブラビレをカットしたサクラマスの稚魚を放流。そ上に期待したい。釣られた方は漁協に連絡を。例年よりも雪多い。千代川は昨年の稚魚放流に加え、3月4~22日にかけてヤマメの成魚が放流される。例年よりも雪が多く残りそう。天神川はヤマメ、イワナの稚魚放流に、渓魚の産卵場を作るなど資源保護にも力を入れている。解禁前日に成魚放流あり。

 【四国】

 海部川は轟の滝周辺が良さそう。年券はアユと共通。勝浦川は昨年9月にアマゴ稚魚4万匹放流。上勝町が良さそう。アユとの共通券あり。

 ◆東海・北陸地区

 【愛知県】

 寒狭川上流は各支流に稚魚放流。本流には解禁前と解禁後にも3回成魚放流され楽しめそう。名倉川は解禁後に成魚放流される。野入川、段戸川の上流部が良さそう。特設釣り場は3月1日から5月15日までで日券のみ。矢作川は2年前に放流したふ化稚魚がそろそろ釣れ出しそう。成育に期待。介木川がオススメ。

 【岐阜県】

 長良川郡上は初期は成魚狙い。天然は3月中旬ごろから面白くなりそうだ。本流で5月中旬からサツキマスも狙える。今年からは19歳未満は入漁料が無料。(年齢を証明できる物が必要)益田川の解禁当初は比較的に水温が高い門和佐川、輪川、竹原川が良さそう。エサのキンパクはコンビニでも購入することができる。ゴールデンウイークごろから本流で尺アマゴ狙いも面白い。馬瀬川は成魚放流のエリアもあるが、馬瀬黒石地区、上木場橋上流は稚魚放流のみで天然、準天然が狙える。

 【三重県】

 大内山川は各支流に中成魚と発眼卵を放流。唐子谷や上流部の犬戻りが良さそう。解禁前に放流あり。宮川上流は薗川、大和谷、始神谷が狙い目。櫛田川は昨年の稚魚放流に加え解禁前日にアマゴ成魚を600キロ、4月23日にも200キロを追加放流する。

 【福井県】

 九頭竜川のサクラマスが順調に釣れている。最盛期の3~4月にかけて期待出来そう。日野川はイワナ、ヤマメの稚魚を上流に放流。支流・田倉川がお勧め。【日刊FPC・下田成人】

<下田氏が解説・解禁当初の狙い方>

 解禁当初は淵や水深がある瀬の脇や石裏などの比較的、緩やかな流れが好ポイントとなる。特に大きい淵には魚がたまっていることが多く、解禁日などには1カ所で数釣りが期待できる。水温が低い初期は表層の流れのエサを意識している渓魚は少なく、川底付近で目の前に流れてくるエサを捕食していることが多い。

 攻め方としては底流れに仕掛けを入れ、ゆっくりとエサを流すことが重要。そのためには流速や水深に応じてオモリを交換しながら、仕掛けを底の流れに入れるようにする。底を意識しすぎて根掛かりするようであれば、少しずつ軽くして適度なオモリを選択してほしい。面倒くさがらずこまめに調整することが釣果アップにつながる。

 仕掛けが底波をとらえるとどうなるかと言うと、底石にオモリが当たるような鈍い振動が伝わり、目印が表層の流れよりもゆっくりと流れだす。これが底流れに入ったサイン。魚の活性が高ければ目印を引き込む鮮明なアタリがでるが、水温が低い初期は目印がフッと止まるような反応が出ることが多いので、それを掛け合わせて欲しい。エサは解禁日や低水温時にはイクラがベスト。また成魚放流河川には特に威力を発揮する。

 魚がスレてくれば川虫がオススメ。キンパクやヒラタ、クロカワ虫など釣行した河川でその時期に採れる川虫を使うのが良いだろう。増水時などで少し濁りがある時はミミズが有効だ。

 まだまだ寒く雪が残る渓もあるので、無理をせずに釣りを楽しんで欲しい。