福島・相馬港 第1投でゲット!秒殺ナメタガレイ

1投目が着底したら、いきなりガツン。本命のナメタガレイだ。やったぜ

<哀川翔 魂のアタリ!!!!!!!>

 今年1月から営業を再開した福島・相馬港「賀都屋(かどや)明神丸」(佐藤正明船長)に“アニキ”こと俳優哀川翔(55)が仲間7人を引き連れてさまざまな魚を釣りまくった。6年前の東日本大震災以降、相馬港の釣り取材が入るのは初。禁漁指定だったナメタガレイとアイナメは昨年、釣りの対象魚として解除になった。アニキの第1投、秒殺でナメタガレイを釣り上げた!

 東北といえば、カレイだよな。冷たい海で鍛えられてるから、身が厚い。うまいんだ、これが。ただ、いろいろと聞いたところでは、ナメタガレイがよく釣れる、と。しかも、刺し身も、煮付けても、とんでもなくうまい。食いたいねぇ~。気持ちが入りすぎて、釣行日は11日だったけど、前日10日に来ちゃったよ。

 乗る船は「賀都屋明神丸」。震災のときは沖に船を出していたので、船は大丈夫だったらしい。2年半前、遊漁は試験操業というかたちで再開している。でも、明神丸は動かなかった。船長の気持ちがついていけなかったようなんだ。正明船長に聞くと「気持ちが海に向かない。何かむなしくなっちまって、なかなか船を出す気になれなかった」と話してくれた。

 昨年になって、目玉のナメタガレイとアイナメの釣りが解禁になった。正明船長の腰が上がった。地元漁師の操業が本格再開になっていないこともあって、遊漁は土日祝日と、平日なら月に1日だけ申請すれば、海に出られる。今回は4月11日。火曜だ。オレのスケジュールの都合でもあったんだが、その月1日をいただいた。もう釣るしかないな。燃えてきたぜ。

 正明船長はどうやら心配だったようだ。担当のタコボウズ記者に「11日、やりますか? 釣果がどうにも、こうにも」と電話してきたという。かなりの正直者だ。気に入った。

 ただ、サオを出したら、いやいやよく釣れた。オレは仕掛けを投入して3秒でアタリがきた。グイグイ引いてくる。あげると、平べったくて長方形の魚だ。これがナメタガレイか。表面は、ぬめっ、とする。この手のぬめりのある魚はうめぇんだ。間違いないな。

 仕掛けは、けっこうゴツい。ワイヤとパイプでつくった天ビンとハリスが一体化している。オモリは40号。ハリは丸セイゴ14号…なぜこんなにデカい? 答えはすぐに分かった。エサのアオイソメを縫い刺しにして、房掛けにするから、デカいハリだとエサ付けがしやすいんだ。

 着底したら底をトントンとノックする。ノブちゃんはアイナメとナメタガレイを釣り分けたようだ。何でも、アイナメはちょっと浮かして誘う。ナメタガレイはジッと動かずに持久戦に持ち込むといいと説明してくれた。

 愛知から7時間かけて車で来た3人「田中さん」「上州屋安城店の磯村店長」「磯釣り師・とく次郎」は、マダラやマガレイも含んで20匹以上は釣っていた。明神丸と同じ相馬港に停泊する「アンフィニー号」の佐藤信敬船長もオレの隣で、いろいろ教えてくれた。集魚板もさまざまだが、ハリのすぐ上のウニのような蛍光玉がいいようだ。面白い釣りだ。

 今回、爆釣だったのは郡山市から参戦してくれた馬場ちゃんだ。生まれて2度目の釣りでなんと計12匹を釣った。ナメタ、アイナメはもちろん、マガレイ、ケムシカジカとなんとホヤ。馬場ちゃんは「今まで釣りは興味なかったけど、これは楽しい。あー、釣りにハマりそうだ」と笑顔だった。

 イカ釣りの好きなエージと、会計士の通称「センセイ」もアイナメとナメタを釣り上げて「こんなに釣れるんだ。スゴい」と満足そうな顔をしていた。

 それでも正明船長の顔は浮かない。アンフィニーの信敬船長が代弁する。「これから潮温が上昇すれば、魚の食いもよくなってくる。5月末から6月中旬がいいんだよね」。そうか、暑苦しくなる前に、また、来ないとな。

 ▼宿 福島・相馬港「賀都屋明神丸」【電話】090・2609・6022。正明船長の父昭夫さんの経営する「まつかわ釣具店」=【電話】0244・38・6441=に午前4時半集合。エサ別で7000円。4人から運航する。常磐道新地インターチェンジで下車して、松川浦へ。