高知・佐喜浜川河口 離岸流狙いヒラスズキ72センチ

アユカラーのフローティングミノーをデッドスローにリトリーブしてキャッチした72センチのヒラスズキ

<ソルトウオーターFISHING>

 まとまった雨が降り、水位が上昇した先日、稚アユを捕食しようと河口付近に集まってくるヒラスズキを狙い、夜明け前から高知・室戸市の佐喜浜川の河口へ釣行した。河口は条件がイマイチだったが、サーフの離岸流狙いが的中。辺りが白みかけた時合に72センチのグッドサイズをキャッチした。本格的に稚アユのそ上が始まれば、産卵後のヒラが活発にベイトを追うようになり、面白くなる。

 狙ったポイントで早朝の時合にヒラスズキがドンピシャでヒット。気持ちの良い釣りだった。午前5時前、佐喜浜川の河口に入った。波高は約1メートル。水量もまずまずの好条件だが、地形がイマイチ。流れが利いたポイントが見あたらない。こんなときは、河口から少し離れたところにヒラが潜んでいることが予想される。

 この時期は、そ上を控えた稚アユが接岸してくると、ヒラが河口付近にエサを求めて回遊してくるので期待できる。河口から北寄りに100メートルほど進んだところで強い離岸流を発見。間違いなくここでヒラがバイトしてくるはずだ。

 辺りが、白みがかってくるころがチャンスタイム。あとはヒラが回遊してきていることを信じて攻めるだけ。ルアーは実績のある125センチのフローティングミノー(アユカラー)。

 同5時半前、ルアーを投入すると、10メートルぐらい沖でコンコンとショートバイトがきた。狙いが的中。この時期のヒラは産卵後で反応が鈍いため、極力ゆっくりルアーを引いたほうがいい。再びキャストし、バイトがあった付近までスローにルアーを引くと今度は明確なアタリでヒット。

 フッキングを入れるとヒラが激しいエラ洗いをみせる。これぞヒラゲームの醍醐味(だいごみ)。重量感のある手応えからグッドサイズを確信。絶対にバラシたくはない。じわりじわり寄せてくるが、波打ち際にくると引き波に乗って再び沖へ走る。何度か波打ち際でのスリリングなやり取りが続くが、あんまり時間をかけるとフックアウトしてしまう。

 そこで、やや強引にヒラを引き寄せ、ランディング態勢に。寄せ波にヒラを乗せ、魚体が手前に寄ってきたところでギャフを入れてキャッチした。サイズは72センチ。ナイスコンディションの魚体だった。これはうれしい1匹。会心の良型に満足して納竿した。【日刊FPC・長井淳】

 ◆ヒラスズキ 一般的なスズキ(マルスズキ)に比べて体高があり、ひらべったい魚体をしている。その迫力ある姿にあこがれるルアーマンも多く、人気のターゲットになっている。主に潮通しの良い外洋の磯場に生息し、サラシの中に身を潜めて小魚を待ち受けているところをミノーなどで狙う。

 【今後の見通し】今シーズンは水温が2月中旬から12、13度で推移していたので、ヒラの活性が非常に悪い状態が続いていたが、ようやく水温が15度になり、ヒラが活動し始めた。これから稚アユの大きな群れが接岸するとともに水温がさらに上昇すれば本格的な春ヒラシーズンを迎える。磯、ゴロタ場でも条件が整えば釣れるだろう。

 【交通】徳島市から国道55号を南下。阿南市、海陽町を経て高知県に入り、室戸市の佐喜浜川河口へ。