川崎 朝寝坊OK!午後からアジ釣り 子供も大喜び

アジを釣り上げた参加者

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

 やっぱりアジから釣ってみよう! 東京湾の川崎「つり幸」では、午後から狙える乗合船がある。朝寝坊もできるし、始発に乗らなくてもOKだ。中学生以下の子どもと女性には割引があるので、「父と子」なら1万円、「母と子」だと7000円で乗れちゃう。

 今月3日正午。太陽はギラギラだ。今の時期、早朝便では晴天でも、防寒着代わりのカッパは欠かせない。でも、午後便ならばその心配もなく、夏の装いで出発できる。川崎「つり幸」。午後0時30分に出航するアジ乗合船は、TUBE(チューブ)のヒットナンバーが似合いそうなサマークルージングでスタートできるのだ。

 「親子アジ釣り体験会」という企画で、紙面などを通じて一般公募したところ、この日は父子6組と友人の独身男性1人の計13人が、釣る気満々で乗り込んできた。

 子どもは6歳1人、9歳3人、13歳2人。ほとんどが初めての海での船釣り。最年少の松田詩音(しおん)クン(6=埼玉県八潮市)も初めての船出に「わー、海だぁ」「すげー、風が強ーい」と釣る前から興奮状態。そうなんです、船が動いて海面を走っていくだけで、ちょっと違うテンションになっちゃうんですよ。

 午後便のいいところは、堂々と朝寝坊ができること。電車も始発に乗らなくていいので、心理的な負担も少ない。お休みなのに、目覚まし時計に起こされたくないもんね。

 ただ、落とし穴があった。杉原伸弥クン(9=横浜市)と大塚結々香(ゆゆか)ちゃん(9=千葉県佐倉市)が出船からしばらくすると、「だめぇ~、眠ーい」と爆睡。どうやら出船30分前に飲んだ酔い止め薬が、効きすぎたようだ。それだけ健康体ということなのだろうが、子どもの酔い止め薬は定量よりも少なくていいかもしれない。

 天気は雨もなく最高。ちょっと揺れたけど、子どもらは元気。でも、アジの食いが渋い。品川昌男船長も「あんまり揺れの強いところだと、気持ちよく釣りができないし、アジの活性もある。悩むねぇ」とポイントを探して、最後の最後で入った浅場で大ヒットした。

 田村悠晟(ゆうせい)クン(9=川崎市)、小松以沙(いさ)クン(13=東京都中央区)のサオ先がピクンと動いて、巻き上げるとともにダブルでアジがきた。岡健心(けんしん)クン(13=さいたま市)も出船前の「20匹釣る」の目標を達成できた。

 船が動いて大騒ぎしていた詩音クンも、アタリをとって、リールを巻いて、釣り上げて生きているアジを触ったりできた。帰りの車中、帰宅してお風呂に入って寝るまで「パパ、楽しかったね」と繰り返していたと、お父さんは振り返る。「まるで念仏のようだった」と、目を丸くした。

 今回はちょっとシブかったけど、つり幸の幸田一夫代表は「梅雨がきて海がちょっと濁ってくれたら、アジの食いは戻ってくる。初めての釣りにはちょうどいいと思います。お待ちしてます」。夏休みが近づいてきた。アジの釣り方の練習に午後便、使ってみませんか?【寺沢卓】

 ▼船 川崎「つり幸」 【電話】044・266・3189。アジは毎日、午前&午後便で出船。料金はエサと氷、仕掛け1セットがついて6500円、子どもと女性は3500円。木曜定休。