静岡・初島沖 哀川翔、イサキ大会で悲願の初優勝

良型のイサキを釣って喜ぶ哀川翔(撮影・松尾幸之介)

<フィッシング・ルポ>

 静岡・熱海伊豆山港「喜久丸」を本部に、伊東「妙法丸」、神奈川・福浦「恵一丸」との第5回合同イサキ釣り大会が、4日に初島沖で実施された。計5隻(喜久丸3隻)に54人が乗船して3匹の合計重量で優勝を争い、4度目の出場となる俳優の哀川翔(56)が2位に300グラム以上の差をつける圧勝で悲願の初優勝を飾った。

 持ってる男が、ついにトロフィーを手にした。哀川と釣りをした者は、みな口をそろえる。「いつも最初と最後に釣るんだよ」。この日もその通りの展開となった。

 船に乗り込み、初島沖まで移動してサオを出したのが午前6時。エサを落として10分待たずして、哀川のサオが真っ先に揺れた。「きたよ、きたよ」。約30センチのイサキだ。「こんなに大きいの釣ったことないよ」と興奮気味に話す。この日は何かが起こる気がした。

 その後も勢いは止まらない。乗り込んだ第十喜久丸(松本早人船長)では、開始1時間は哀川の独壇場で、次々とイサキをヒットさせた。「船長のタナ通りで落としたらくるよ。今日は狙えるかもね」。冗談のように言っていた言葉が、じわじわと現実に近づいていった。

 同大会に出場するのは今年で4回目。昨年は仕事の都合で欠場したが、それ以外は毎年出場している。しかし「イサキ釣りはどちらかというと苦手」と話すように、初めは入賞資格となる3匹をそろえることができない時もあった。回数を重ねるごとに感覚をつかみ、2年前は自己最高の4位となっていた。「今回は前日の夜から仕込みに入ってました。いろんな仕掛けを用意して、サオも2本持ち込んで、自分のできる範囲のことはやった」。これまでの経験と準備が4度目の挑戦で実を結んだ。

 哀川に次ぐ2位に入ったのは、静丸(喜久丸)に乗った小林正弥さん(39=厚木市)だった。「めちゃくちゃうれしいです。みんなよりタナを1メートルぐらい下げて、大物だけを狙った」。前日にもイサキ釣りに出かけて予行演習を行っていた努力が結果となった。

 3位の岡本早雄さん(57=横須賀市)は恵一丸(山田隆一郎船長)に乗っていた。濁りのない海に前半は苦戦したが「途中でハリスを3号から2号に変えた。それがよかったかな」と笑顔をみせた。

 哀川は沖上がりの11時ちょうどにスズメダイを釣り、この日も最初と最後の締めをしっかりと飾った。終わってみれば過去最高クラスとなる3匹で計1700グラムオーバーの文句なしの優勝だった。「このトロフィーを欲しいなと思っていた。来年も頑張ってデカイのを釣りたいと思います。ありがとうございました」とあいさつし、勝利のガッツポーズも力強く決めた。

 朝方は涼しかった伊豆山港も、お昼ごろには最高気温が夏日となる26度を記録していた。熱い男の大勝利に、ふさわしい日となった。【松尾幸之介】

 ▼順位(1)哀川翔=1746グラム(2)小林正弥=1410グラム(3)岡本早雄=1374グラム(4)太田英樹=1332グラム(5)飯塚広海=1310グラム(6)吉沢芳之=1282グラム(7)徳田大輔=1274グラム(8)森教嘉=1268グラム(9)中島与志夫=1260グラム(10)相良勝=1252グラム※イサキ3匹までの合計重量審査(敬称略)。このほか1の位が5と0の順位には飛び賞として、記録対象となった参加者中、最下位の51位にも賞品が贈られた。

 ▼船 ◆熱海「喜久丸」【電話】090・5456・8449。イサキの乗合は、午前5時出船でエサと氷付きで1万1000円。午後0時30分出船の午後便も出漁中。◆福浦「恵一丸」【電話】090・4927・9776。◆伊東「妙法丸」【電話】0557・37・4913

 ▼賞 優勝した哀川にはクリスタルトロフィーのほか、がまかつ提供の高級ザオ(ライブラ3万6500円相当)、マルキユー提供の非売品のショルダーバッグ、カシオ計算機の時計「G-SHOCK」、米5キロ、高級かに缶など豪華賞品が贈られた。

 <主催>日刊スポーツ新聞社、日刊スポーツ新聞社指定・共栄会

 <協賛>がまかつ、マルキユー、上諏訪温泉「ぬのはん」他