和歌山・初島・沖ノ島沖 マルアジ入れ食い

部谷、若松さんが釣った大漁のマルアジ

<船FISHING>

 マルアジとサバの爆釣が続く和歌山・初島の沖ノ島沖。入れ掛かりを楽しむなら「南村渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の仕立船で出船してみてはいかがですか。ここは船頭の手作りサビキを使ったチョクリ釣りが特徴。まき餌も刺し餌も使わないので、手間がかからず初心者でも大釣りが楽しめる。大きな群れに仕掛けを通して追い食いを誘うと、指先に重みが増していき、漁師気分で連掛けが体験できる。

 チョクリ釣りの魅力はなんといっても、マルアジの大群をとらえたときの怒濤(どとう)の連掛けだ。ググッググッと指先に重みが増していき、4連、5連、いや6連か!? 何匹掛かったんやろうと、期待が膨らむドキドキ感がたまらない。

 釣り方は青や、緑のビニールを付けたチョクリバリを使ったサビキの手釣り。餌は一切使わない。そのため、食いダナを広く探れる全長20メートル(10~12本針)と仕掛けが長いのが特徴だ。

 探り方や取り込み方は船頭が親切に教えてくれるので初めての人でも安心。基本的には指示ダナまで仕掛けを落とし、腕を大きく上下しながら誘いをかける。そしてグッグッとアタリがでたら、追い食いを誘いながらゆっくり引きあげる。

 ただ、魚を取り込むときは仕掛けがとても長いので船べりを広く使うことが大事。仕掛けが絡むと手返しが悪くなり、匹数が伸ばせない。そこさえ注意すれば、あっという間にクーラー満タン釣果が期待できる。

 先日、2人で24~32センチのマルアジを234匹釣りあげた茨木の部谷、若松さんが「なんぼでも釣れる。次々にあがってくるマルアジをとりこむ爽快感が最高だ」と絶賛。大江船頭も「この時期はアジの群れが大きく数、型ともに一番楽しめます。大きなサバも狙える絶好機ですよ」と太鼓判だ。

 出船は午前4時半だが、乗合船と違い、仕立船なので、自分たちの都合に合わせて時間の変更も可能。貸し切りのメリットは、ほかの人に気遣いをすることなく、自分たちのペースで釣りが楽しめるところ。この機会にぜひ、グループや家族連れでチョクリ釣りを満喫してほしい。【中村和嗣】

 【今後の見通し】マルアジは、今月中旬からサバ交じりで最盛期を迎える。その後、サバが減り、夏場は小型の数釣りが中心となる。秋口になると数は減るが、脂の乗った30~35センチ級の良型が狙え、10月ごろまで楽しめる。

 【問い合わせ】南村渡船【電話】0737・83・3730。仕立船料金2人まで2万4000円、1人増し3500円(手釣り道具付き)。宿泊は1泊2食付き7600円、素泊り3500円。弁当700円。出船は午前4時半ごろ。午後便もある。

 【交通】JR紀勢本線の初島駅下車、徒歩約5分。同箕島駅からタクシーで約5分。車は阪和自動車道の海南ICから国道42号へ入り南下。里の交差点を右折し、道なりに進むと左側に同渡船店がある。