トリャ~小田原でシイラ釣りキャスティング練習教室

後方をちゃんと目視して…トリャー!

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

 マグロがいよいよ回遊してきた。釣り人の誰もが「1度はマグロ」と心に誓うのだが、なかなか手が出るものでもない。そこでマグロ乗合で知られる小田原「弘美丸」(湯川幸次船長)がソルトルアーの大物入門編のシイラ釣りについて「キャスティング練習教室」を1日開催した。参加者7人、そのうち3人が初めて船に乗る。さあ、結果やいかに!

 まず、結果からお伝えします。ノーフィッシュでした。7人のうち誰も釣れなかった…というか、ルアーを追いかけてくれるシイラがいなかった。

 7月1日、強い西風で安全を考慮して、遠出を断念。箱根の山を背後に控える小田原・早川港の前は、体に圧力を感じる風が海上を抜けていった。ただ、うねりはなく、キャスティング練習には最適といえた。

 湯川船長 冒険をして東に船を飛ばしてもよかったけど、船が初めての人にいきなり足元の安定しない海を経験させるわけにはいかない。今回は「まず投げる」を覚えてもらいたい。

 力いっぱいロッドを振り込むことは、意外とできない。広い空き地や原っぱがあっても、そこは海ではないので、キャスティングしてもイメージはつかめない。やはり、現場だ。乗合船でなかなか練習もできないので、このような練習教室なら、思い切りロッドに力を込められる。

 頭上にサオを持ち上げるオーバースローで投げる際の注意として、湯川船長から(1)絶対に後方の安全を目視する(2)ラインを押さえる指を離すタイミングは投げ込んで体で覚える、という2点がアドバイスされた。

 お手伝いの「仲乗りさん」で同乗した寺沢匠(たくみ)くん(17=小田原市)は幼稚園児のころから船に乗っていて、高校を卒業したら「漁師になる」と決めている。参加者が困っているときに素早く駆け寄っていた。「相模湾の実力はこんなもんじゃない。もっといいときのシイラ釣りを体験してもらいたいです」とちょっと悔しそうだった。

 村石雄一さん(53)みずほさん(53)の夫婦は「海なし県の埼玉からきました。2年前、管理釣り場のトラウトから釣りを始めて、いつかは海でマグロをやりたいと2人で話していた。いいチャンスだったし、真っすぐキャストできるようになった。面白かった」とニッコリ笑顔だった。

 折原さやかさん(33=小田原市)は、アオリイカを陸から狙って1年半…まだ釣れていないが、すっかり釣りのとりこになってしまった。「友人に教室があることを教えてもらいました。初めての船で緊張したけど、船長も優しくてよかった」と話し、シイラ船2度目の大村マキ子さん(36=横浜市)は「参加者のみなさんとおしゃべりして、みんなで1つの目標に向かう釣り、って珍しいですよね。まだ、シイラは釣れてないけど、次回こそ釣ります」と意気込んでいた。

 弘美丸の常連、佐藤賢さん(43=葛飾区)は妻美香さん(42)と一緒。「私、船に乗るのは初めてなの。ダンナがどんな遊びをしているのか“授業参観”です」と舌をペロリと出し「揺れるけど、船の釣りは気持ちいいですね。また、乗りたいですねぇ~」と初の相模湾釣行に大満足だった。

 マグロ釣りで弘美丸に乗っている細谷将嗣(まさつぐ)さん(33=大井町)は「みなさん、一生懸命で刺激を受けました。こういう教室はいいですね。あとは魚が釣れたら完璧ですね」と話した。

 今回は釣り道具のレンタルなども含めて1万円。今後も「体験会」「教室」には湯川船長も積極的で「いつ開催するか、それは未定ですが、コマセマダイとかも教室を開きたい。次代を育てることをしていかないとね」。小田原「弘美丸」から釣りを始めてみませんか?【寺沢卓】

 ▼船 小田原「弘美丸」【電話】090・8682・8573。現在はキハダマグロ&カツオを中心に狙っている。詳細は「小田原」「弘美丸」から検索してHP参照。