東京湾 1キロ超タチウオ、ビギナーでも釣れた

最大の武器はこの鋭いキバ。ちょっと触っただけで切れちゃうので要注意

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

 「2017日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」船ブロック東京湾地区のタチウオ大会が今月29日、川崎「つり幸」、八景「太田屋」、新安浦「長谷川丸」、久里浜「大正丸」の4地区合同で実施される。各船20人計80人の大会で、タチウオ3匹の合計重量で競う。そこで、タチウオ釣り初めての女性2人に、それぞれ違う日に別の船宿で挑戦してもらった。初心者に東京湾のタチウオはほほえんだのか?

 想像してほしい。重さ1キロ超のタチウオ。重さがあるので、ヒットしたらそりゃもう…たまりません。浮きぶくろのない魚なので、ずっと暴れている。それも1キロだ。船内に取り込んでもしばらくは両手にしびれが残っている。こんなやりとりをしたら、タチウオ中毒になってしまいそうだ。

 今シーズン、東京湾の「夏タチ」は、水深130メートルの金谷沖から開幕した。浅場(水深40メートル前後)の第二海堡(かいほ)周辺はようやく群れがまとまってきた。その中に1キロ超が交じってくるのだ。1メートル未満の短いのもいる。つまり、長さがないが、身の厚さはこの時期では考えられないほどしっかりしている。釣りごたえだけじゃなくて、食べても満点なタチウオに遭遇できるチャンスなのだ。

 初心者にも1キロ超のタチウオとのファイトを体験させてあげたい-。そこで、タチウオ釣り未経験の女性2人を海に連れていった。

 まず、30代のアズキさん。4年前から釣りに手を染めるようになり、海風に吹かれながら魚のアタリを待つ快感の虜(とりこ)になってしまった。「タチウオ…ああ、あこがれてました」と、声を掛けたときから恍惚(こうこつ)の表情。29日の大会で本部にもなる新安浦「長谷川丸」から出漁した。ルアーとエサとどちらでも狙えるが、エサを選択した。

 サオ先をはねるように誘う「シャクリ」がなかなか体得できなかったが、あるリズムに気付いた。

 アズキさん これさ、重めのレゲエだわ。ズンズン、チャ♪だもん。

 なるほど! 「ズンズン」でサオを下げながらリールを1回転、そして「チャ」でリールの手を止めてサオ先をはねさせる。タチウオはレゲエだったのか。

 そんなゆるいリズムで、アズキさんは97センチながら約1・1キロを記録した。

 そして2人目は、大手スーパーに勤務する社会人1年目の花ちゃんだ。父親が釣りに関連する職業。しかし、小学生のころに船上で寒い思いをして、「釣りはツラい」と高校生まではサオすら持たなかった。ところが気まぐれでシロギス釣りをすると大爆釣。一転して釣り好きになり、1カ月前は千葉・富浦で2キロ弱のマダイ2匹を釣った。もう、釣り大好き人間になってしまった。

 でも、タチウオ釣りは初めて。久里浜「大正丸」でエサ釣りで挑んで、10匹釣った。その中に120センチ、重さ1・2キロのデカタチがいた。最初はやはり「シャクリ」に戸惑った。それでも「コマセマダイよりも力強い誘い。それとヒットすると、底でもないのに根掛かりみたいな衝撃が来るのね。これ、楽しー」と花ちゃん、大喜びだ。

 やはり1キロ超のデカタチはいた。しかも、ベテランも初心者も関係なく食いついてくる。

 ちなみに、エサ釣りならハリスは4~6号で1・5~2メートル。ハリは「1/0」「2/0」でいいだろう。ルアー(メタルジグ)は80~120グラムを用意しておいて、ヒラヒラ落ちていく平べったいタイプと、真っすぐ落ちる棒状のタイプがあると、手詰まりのときにどっちかでヒットを呼び寄せることができそう。

 29日の大会は、3匹の重量勝負になる。数釣りではなく、大物だ。ビギナーにもチャンスありそうですよ。挑戦者、待ってまーす! 【寺沢卓】

 ▼大会ガイド 7月29日(土)開催。参加地区は、川崎「つり幸」、八景「太田屋」、新安浦「長谷川丸」、久里浜「大正丸」。各船20人募集。釣り場に午前8時ちょっと前に集合なので、宿の集合時間はそれぞれ。参加料なども各店に要問い合わせ。午後1時に終了し、新安浦港で検量&表彰式。3匹の合計重量で勝負する。上位に豪華賞品が用意されているが、下位にも飛び賞があるので、1匹や2匹でも釣れたら検量してください。問い合わせは各店。