東京湾タチウオ大会 2・95キロで森谷さん初優勝

初優勝の森谷さん(左から3人目)はやや緊張した表情。準優勝は山田さん(左から2番目)、3位林さん(左端)、4位山本さん

<フィッシング・ルポ>

 東京湾で大型タチウオと勝負できる! 「2017日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」東京湾地区タチウオ大会が7月29日、実施され、大会本部となった新安浦「長谷川丸」に乗船した森谷悟さん(46=草加市)が3匹総重量2・95キロを釣り上げて初優勝した。大会最大魚の1・2キロは、今年正月に釣具店で購入した福袋の中にあった、名前すら分からない150グラムのメタルジグだった。

 夏らしく迷走する台風5号に気をもみながらも、69人が参加するにぎやかなタチウオ大会となった。新安浦(横須賀市)「長谷川丸」を大会本部に久里浜(横須賀市)「大正丸」、八景(横浜市)「太田屋」、川崎「つり幸」の4隻が集合地点の第二海堡(かいほ)から午前8時、競技をスタートさせた。

 しかし、反応はあるものの、脇差し級ばかり。3匹の合計重量で競う大会で、デカタチの姿を見ることはほとんどなかった。このままでは、さみしい結果に-各船長が勝負に出た。一発大型狙いで、猿島周辺の海域に移動。今年の傾向として、1メートルに満たない1キロ以上のズン胴タイプが釣れる。身が厚くて、ブツ切りにしてじっくりと遠火の塩焼きにすると絶品のタチウオだ。

 ここで抜け出したのが、長谷川丸に乗船した森谷さんだった。1・2キロの大物をキャッチした。

 森谷さん 第二海堡周辺では100グラムのメタルジグを使っていたんだけど、周囲の常連さんを見ると重そうなジグに替えていたので、150グラムにチェンジしました。今年の正月、近所の釣り具チェーン店「ジャイアント」で購入した福袋に入っていたのですね。平べったいだけで、どこのメーカーのジグなのかもわかりません。でも、釣れちゃいましたね。

 もともと森谷さんは、マイペースで楽しめる渓流派だった。それが2年前、会社の同僚に誘われてタチウオのルアー釣りに手を染めた。リールを巻いている途中で根掛かりのような衝撃の中毒となって、長谷川丸に通うようになった。

 森谷さん 昨年から大会に参加しています。昨年ですか? 全然問題外の順位。まさか今年優勝できるなんてビックリです。マグレなので連覇なんてとんでもない。でも、来年も参加したいですね。

 「つり幸」から参加した山田拓生さん(33=大田区)は待ちに待った準優勝だった。釣り船経験は4年。陸(おか)っぱりのシーバスからタチウオの世界に飛び込んできた。過去に5位が2回。2014年には3匹で2900グラムを釣り上げながら50グラム差で船中2位、昨年は2匹合計の変則ルールで1240グラムを記録したが、やはり船で2番目だった。

 山田さん 今回は突き抜けることができた。ヒットルアーは、ブランカの125グラム、ピンクでした。

 3位の林一輝さん(35=座間市)は太田屋に乗り込んだ。沖釣りのルアータチウオは3年目になる。ゆっくりと動かすアクションに乗ってきた。

 林さん タチウオは大きさを選べない。だから、何度も何度も投入する。船宿さんでの経験回数だったのかなぁ、と思います。とにかく数をこなすことです。

 4位の山本徹さん(37=横浜市)は大正丸の常連さんに誘われて、初めてのタチウオ釣りだった。

 山本さん 右も左も分からず、教えられたとおりにやったら釣れました。しかも3匹だけ。エサ釣りのタチウオ、これはハマりそう。

 5位は2450グラムの舟橋夢人さん(51=江戸川区)で、横取りルールでなければ3位だった。つり幸でルアーで狙った。

 舟橋さん 周囲をみたら重めのジグ。しかもピンクのシマシマ模様。手元に160グラムのピンクがあったからマジックで横線をいれて改造したのに食らいついてきた。ボクは速巻きで20匹でした。

 ルアーの誘いは、森谷さんは「普通のスピード」、山田さんと林さんは「超ゆっくり」、そして舟橋さんは「速巻き」をキーワードとした。共通していたのは平べたっくて、シルエットの大きなジグ。夏のタチウオはこれからが本番、ガツンとしたアタリを楽しみに東京湾に繰り出そう!【寺沢卓】

 ▼成績 <1>森谷(長谷川丸)2950グラム・8匹<2>山田(つり幸)2630グラム・22匹<3>林(太田屋)1460グラム・12匹<4>山本(大正丸)900グラム・3匹<5>舟橋(つり幸)2450グラム・20匹<6>酒井拓宏(40=さいたま市、つり幸)2200グラム・16匹<7>中島強(39=葉山町、長谷川丸)2010グラム・7匹<8>太田和秀(56=横浜市、つり幸)1910グラム・15匹<9>駒崎香世(50=板橋区、つり幸)1800グラム・20匹<10>木原涼(22=横須賀市、長谷川丸)1740グラム・7匹(敬称略)

 ※3匹以内の重量審査。69人参加。上位4人は、参加4隻の各1位で順位を決める横取り方式。5位以下は重量順で、同量の場合は総匹数勝負。表彰式では、本部の集計ミスで5位と6位を入れ違えて発表してしまいました。当成績が正しい順位になります。