<釣りをしようよ プルルン体験隊>
北の海のヒラメ-鋭くて重い引き、さらにビギナーにも優しい。宮城・閖上(ゆりあげ)「謙信丸」では、夏のヒラメ釣りが絶好調だ。関東エリアで今、大人気のタチウオのタックルで勝負できる。生きたイワシを泳がせて、身の厚いヒラメにガツンと食わせる。11月末まで楽しめるので、カレンダーとにらめっこして、行くぜ東北!
閖上。「ゆりあげ」と読む。名前の由来は諸説あるが、この閖上の浜で海を割って、観音像がお出ましになった、と伝えられる。その出現が「ゆりあげる」ようだったことから、当地を「ゆりあげ」とした、などと地元の人々は胸を張る。その観音さまはどこにあるんだ、とか、そんなやぼなことは聞いてはいけない。おめでたい地名であることを覚えておいて、港を後にした。
夏のこの時期、ヒラメ釣りのポイントは航程約1時間。やや、霧がかかる白い煙の差す海上を緩やかに進む。観音さまの伝説を聞いた直後だったので、なにやら神秘的に感じてくる。日本テレビの人気番組「ザ!鉄腕!DASH!!」でTOKIOと共演する海洋環境専門家の木村尚(たかし)さんにサオを握ってもらった。ヒラメ釣りは昨年、外房で初体験していて、今回は2度目。海に詳しい木村さんとはいえ、ヒラメ釣りはまだまだビギナーだ。
「謙信丸」を操舵(そうだ)するのは2代目の佐藤太船長(40)。名前とは違って細マッチョ。水深40メートルをオモリ50号のライトタックルで攻める。今夏、大人気のタチウオと同じサオ&リールで大丈夫だ。仕掛けも、関東地区とほぼ同じで、親バリを生きたイワシの下のあごから通して、上あごから抜いて固定する。孫バリは背中から尻尾手前までのどこかに刺しておく。
このエサのイワシがデカい。「このまま、焼いて食べたら、きっとうまいよね」と木村さんも驚いた。近くに座った常連さんが「イワシがよ、でげぇがら孫バリは刺さずにフリーにしとく。イワシは元気に泳ぎ回って、アピールするし、フラフラした孫バリが食ってくるヒラメにズブリ」という独特の釣法も教えてくれた。これは面白い。
釣りが始まったら、答えはすぐに出た。船中1匹目は、なんとタコボウズ記者で、オモリをチョンと海底とタッチさせて、すぐに20センチほど巻き取って、ロッドキーパーにサオを固定した。船の揺れでたまに底をたたくぐらいだ。1度底をノックしたところで、ギュンと絞りこまれて、サオが弓なりになった。巻き上げると1・5キロのグッドサイズ。木村さんのイワシはズタズタにされていた。ヒラメの活性は高い。
すぐに木村さんもヒット。「いやぁ~、東北のヒラメは濃いね。アタリがバンバンある。これは楽しい。素人でも面白いよ。いいね」と木村さんは船中2番目となる4・5キロを含んで9匹を釣り上げた。一番大きかったのは常連さんが釣り上げた6・2キロ。「アゴの部分の厚みが違う。さすがに6キロ超はヒラメじゃないみたい。モンスターだね」と木村さんも驚いた。
今後、ヒラメの漁場はだんだんと閖上港に近づいてくる。水深も20~30メートルと、こちらもビギナー向けの深さになってくる。佐藤船長は「安心して初心者の方もおいでください。11月末までヒラメはできますね」と話した。閖上のヒラメ、東北観光の1つとしてオススメします。【寺沢卓】
▼船 宮城・閖上「謙信丸」【電話】022・398・4718。ヒラメ乗合船は、午前4時30分集合、同5時出船、エサのイワシ付きで1万円、氷は別料金。船着き場は、常磐道の名取インター下車後、閖上港を目指し、広浦橋を渡ってすぐ左折。