静岡・久料 「うろちょろ釣法」で1キロ超マダイ

仕掛けを投入したら、5秒ぐらいでこのマダイがヒットした。ハットリ、1キロ超のマダイは初めてなり

 初心者ですけど、マダイ釣ってもいいですか? そんな要望に応えてくれるのが静岡・久料(沼津市)「魚磯丸」(久保田清代表)だ。この釣り特集紙面ではヘラブナ道場のイラストリポートで登場する「ハットリ」こと服部紫野さんが、今年からマダイ釣りに目覚めていた。ただし、まだ1キロ超を釣ったことがない。そこで、魚磯丸を訪れてみた。

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 こんにちは、ハットリです。ヘラブナ釣りでも精進しますが、やはりもっと、他の釣りも肌身で感じてみたい。特に海の釣り、さらに王者マダイはなんとかしたいです。

 実は、今年は正月休みを利用して、千葉・内房とか静岡・南伊豆とかにふらりと足をのばして海釣りまみれになってきました。マダイも挑戦したんですけど、500グラムが精いっぱい。そのときに初日の出に誓ったんです。

 「今年は1キロオーバーのマダイを釣るぞ!」

 けっこうハードル高めだ。達成できるのか、ハットリ…そんな自分の内側から聞こえる不安な声は一切無視して、高い目標設定にしてみました。

 燃えちゃうんですよ。できちゃえる目標は、目標と呼んではいけないんだと思います。最初はもがいて、あがいて、どうしようもなくても、何かをつかむと流れが変わる瞬間がある。その瞬間が快感なんです。

 だから、マダイ1キロの目標は下げません。

 魚磯丸のマダイ船長は「やっさん」です。久保田清代表の実弟の康さんです。

 やっさん 日の出前がもっとも釣れる。太陽の光が海面に当たると魚の動きが鈍るんだ。

 えー、マジですか。実は、ロッドキーパーを設置するとか、8メートルのハリス(6号と3号の連結)にハリ(マダイ8号)を巻いて仕掛けをつくるとか、全部船の上でやろうと思っていたんです。ヘラブナも自分で仕掛けをつくるし、マダイ仕掛け自体がとても簡単なので「船の上でチャッチャとやっちまおう」とか簡単に考えてました。

 港を出て、ポイントがめちゃ近い。サオのセッティグとかも含めて、開始から10分後に投入。この間に左右トモ(船尾)の2人の常連さんは、次々にマダイやイシダイを仕留めていくの。準備は大事だなぁ~、と反省していたら、ギュン。

 船長の指定ダナに合わせて5秒後に来た。少しずつ空は青くなって明るくなってきたけど、まだ太陽はのぼってない。リールを巻いて、ハリスをたぐってきたらあらら、1・2キロ前後のマダイでした。

 あっ、目標達成しちゃった…。

 不思議だ。夜明け前は簡単に釣れたのに、日光が海面をキラキラさせてから、何の反応もない。

 やっさんが耳打ちしてくれた。

 やっさん 船長は「このぐらいがいいよ」ということでタナ指定する。だから、釣り人はその上下に作為的に動かしてみるといい。2~4分ぐらいしたら、上や下に移動して、また2~4分待つ。マダイ釣りは待ちだけじゃなくて、自分から仕掛けていくことも大事なんだよ。

 そっか、あるタナにエサを固定するんじゃなくて、上げたり、下げたりする「うろちょろ釣法」なのか。

 そうしたらですね、ヒットしたんですよ。しょっぱなの1キロ超よりかちっちゃいけど、この「うろちょろ釣法」で釣ったのは大きい。素直にうれしいもん。

 ハットリはもっと苦戦すると思ったけど、久料の豊かな海に助けられたかなぁ。ちなみにハットリの釣果はマダイ3匹、上出来ですよ。

 でもね「今年のマダイ釣りの目標」は、きっちり修正しますよ。

 3キロ以上を釣る。

 あー、自分の首、締めてるかもなぁ~。それでも久料なら、初心者でも、マダイ、釣れますよぉ~、ぜひぜひぜひぜひ、いらっしゃいまし!

 (ヘラブナ道場第2期門下生・服部紫野)

 ▼船 久料「魚磯丸」【電話】055・942・3230。マダイ乗合船は、午前(午前5時45分に開店)&午後の2便。コマセ、エサ、氷付きで9500円。夜ヤリイカは午後3時30分集合で氷付き9000円。女性と中学生までは1000円割引きです。