三浦半島・毘沙門 ヤリイカで大物狙うハモノ釣り

新店丸のハモノ船では、限定8人。ヤリイカ用とイカを泳がせるサオと1人で2本出しになる

 「ハモノ釣り」を知っているか? 今、絶好調のヤリイカを生きたまま針に掛けて泳がせて、さらに大きな魚をキャッチする釣法だ。18日、三浦半島・毘沙門「新店丸」(鈴木誠一船長)で出船する。今季はメダイやワラサが捕獲されている…。うまくするとマダイも…。夢は広がる。そして、明日17日からTokyo Bayマダイダービーが開幕する。千葉・内房の富浦「共栄丸」(笹子宏宣船長)に乗船してきた。

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 鈴木船長に聞いてみた。

 何でハモノ釣り、って言うの?

 「いや~、オレもよく分かんないんだよね。ヤリイカで小さいハンパものを泳がせるからとか、マダイとかワラサとかメダイとか歯の鋭い魚を釣るからとか、いろんな説があるけど…。分かんないんスねぇ~」とニカッ、と笑った。

 今シーズンはヤリイカが豊漁だ。静岡・駿河湾各所、相模湾瀬ノ海、中ノ瀬、城ケ島沖、南房・洲崎(すのさき)~布良(めら)沖、外房・勝浦沖、茨城・鹿島~日立沖の浅場-これはあくまで一部にすぎない。千葉・館山では夜のヤリ釣りでオカっぱりは大盛況だったようだ。今冬~春のヤリは舞い躍っている。

 そのヤリイカをまず捕獲して、生きたままを写真のようにハリに掛けて、再び同じタナに送り込む。普段は14人乗れる新店丸だが、ハモノ釣りの場合だけ限定8人にする。鈴木船長は「それでも1人2本のサオを出すから計16本のサオが出る。8人限定だけど、それでもギリギリですね」とまた、ニカッ、と笑顔をみせた。

 水深は160~210メートル。底付近でオモリ120号をちょっと浮かす。プラヅノ11センチにグン、グンと乗ってくる。底から10メートルまでで25~55センチのきれいなヤリイカが水を噴きながら船内に飛び込んでくる。ヤリイカ絶景だ。ここ数年、ヤリイカでこれまで長く遊べたことも久しい。今がラストチャンスなのではないか。

 ヤリイカだけでも大満足なのに、さらに泳がせ釣りにして大物を狙う。取材日は3月3日で、この時は2キロ級のメダイがヒットした。10日には6・13キロと7・5キロのワラサをキャッチできた。次回は18日になる。一体どんなモンスターに出会えるやら。マダイだって可能性はある。ニカッ、とすてきな笑顔をみせる鈴木船長に、まず電話して確認してみよう。【寺沢卓】

 ▼船 毘沙門「新店丸」【電話】046・881・6637。ハモノ釣りは集合午前5時30分~同6時、出船は同7時。帰港は午後3時。料金は氷付き9500円。マダイはエサ、氷付きで1万円。日程は要電話確認。