福井・若狭大島沖 スロージギング65センチ桜ダイ

棚橋さんが仕留めた65センチの桜ダイ

 スローな誘いに多彩な魚がヒット! メタルジグやタイラバで根魚を狙おうと25日、福井・若狭大島の「民宿福島」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)のルアー船「アクエリアス」に7人で乗り込み、同沖へ出た。中層の流れが速い時間帯もあり、釣りづらかったが、常連たちはテクニカルなジャークで獲物をコンスタントにゲット。65センチの桜ダイを筆頭に、40~45センチのアマダイや25~30センチのウッカリカサゴ、レンコダイなどが上がった。何が釣れるかわからないスロージギングの面白さを体験した。

 テクニカルな釣りでとても難しかったが、身につければ格段に釣りがうまくなる。そんなジギングだった。午前6時前に出船。ポイントは大島沖の100メートルライン。どてら流し(潮、風まかせの流し釣り)で砂地、泥地、岩礁帯、魚礁などを広範囲に探っていく。

 ジグを底まで落とし、潮上へロッドをゆっくりと引いて魚の反応を探ったあと、5メートルほど斜め上へワンピッチで引き上げる。このとき、ジグを落下させず、ヘッドを常に上へ上へしゃくることが大事。ジグを落とすと魚が散ってしまうからだ。だが、これが難しい。

 「魚は潮の流れに逆らって泳いでいる。ジグの頭を必ず潮上へ向けてください。潮筋を外したら食わないよ」(福島雄一船長)の言葉通り、常連たちが潮上へジグを泳がせると30~35センチのウッカリカサゴやレンコダイが次々に針掛かり。

 砂地に入ると羽島市の北川和男さんが美しい魚体をした45センチのアマダイをキャッチ。「スロージギングはなにが釣れるかわからないのが魅力ですね。塩焼きが美味しそう」とにっこり。

 その後は中層の潮が速くなり、糸がふけて釣りづらくなるが潮、風向きがマッチしたポイントでは再び根魚が好反応。京都市の一瀬宏太さんが、ジグのフォール中にステイと横引きの誘いをかけ、35センチのレンコダイやウッカリカサゴをキャッチ。これまた、目からうろこなテクニックだった。

 記者は常連の巧みな技にお手上げ状態。棒引きだけで釣れるタイラバでなんとかカサゴをゲット。すると、同じくタイラバで底を狙う本巣市の棚橋啓介さんに大物が掛かり、ロッドがグイグイしなる。やがてゆらゆらと上がってきたのは65センチの桜ダイ。「こんな大きいのを釣ったのは初めて。うれしい。妻にいいお土産ができました」と大喜び。

 他にもカイワリやホウボウ、オニカサゴなど多彩な魚がヒットし、スロージギングを満喫したところで夕暮れに納竿。記者は最後までジグをうまく動かせずに惨敗。常連のテクニックを見せつけられた。この釣りは腕の差が明確に出るところが面白い。負けず嫌いの方はきっとはまりますよ。【近江康輔】

 ◆福島雄一船長の必釣テクニック 潮上にメタルジグの頭を向け続けることが大事。底までジグを落としたら、左右にロッドを引いて、重みを強く感じる方向を探してください。次に、その方向へキスの引き釣りのようにロッドを引いて魚の反応をみます。それで食わなかったら、重みを感じたままゆっくりショートピッチで5メートルほどしゃくり上げてください。これの繰り返しです。時には15メートルほどしゃくり上げて広範囲の魚にアピールすることや中層の流れが速いときは、糸ふけをうまく回収することも重要。わからないときはどんどん質問してください。

 【今後の見通し】今は雪解け水の影響で中層の流れが速く、釣りづらい状態になっているが、解消されれば、根魚の食いが上向いてくる。また水温が上がってくると、乗っ込みの大型マダイが好機を迎え、春ブリやヒラマサなどの青ものも回遊してくるので楽しみ。 【問い合わせ】民宿福島【電話】0770・77・0095。携帯【電話】090・3298・4771。乗合船料金は1万2000円(会員になると1000円引き、女性は5000円)、チャーター船は5人で6万円(1人増えるごとに8000円追加)。出船は午前7時、納竿は午後5時。宿泊は1泊2食付き8000円~。

 【交通】舞鶴若狭自動車道の小浜西ICを出て国道27号を西へ。JR小浜線の若狭本郷駅北側の青戸大橋を渡り若狭大島へ。4番目のトンネル抜け三差路を右折。突き当たりを左折して渡船場へ。