福井・小浜湾 スローなアプローチで美形キス39匹

釣り上げたきれいなキスを笑顔で披露する細見さん

<乗合船FISHING>

 女性のスローなアプローチに初期のキスがメロメロ!? 福井・若狭本郷の「はやし渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で先日、早朝から小浜湾に出た。水温が低く、キスの食いが浅かったが、細見明子さん(京都)が、前アタリが出たあとに、ラインを緩めて本食いを誘い、午前11時までに14~21・5センチを39匹ゲット。記者も、底をたたいたあとの横引きなどで同型を31匹食わせた。カンカンカンとロッドに響く心地良い引きを楽しんだ。

 釣りガールの細見さんが、パールピンクの美しいキスを釣るたび、目をきらきらと輝かせてグッドスマイル! 小学生のころ、父の田河達至さん(京都)と小浜湾を訪れ「ブルブルッとくるキス特有の激しいアタリにはまってしまった。それ以来、毎年、通い続けています」と笑顔で話す。

 この時期は尺級が狙える好機。この日も、師匠の父と大物に挑んだ。船を流したのはきれいな砂地が広がる加斗沖。今年の小浜湾は水温がなかなか上がらず、アタリはひんぱんにあるが、キスの食いが浅いためにテクニックが必要だった。

 「それでも、水温が低い分、餌取りがいないのでアタリがきたらキスです。早合わせは禁物ですよ」(林健治船長)の言葉通り、ブルブルと前アタリが出ても、あわてずに本食いを待ち、細見さんが真っ先に20センチをゲット。その後も、父と交互にサオを曲げていく。

 実は昨年、夫の俊宏さんがこのポイントで29・5センチのひじたたきを釣っており「めっちゃ大きかった。悔しかった…。私も釣ってみたい」と「父から結婚祝いでもらった」感度が抜群にいいキス専用ロッドを握りしめて大型を狙っていく。

 だが、風が強く、シーアンカーを流しながらの釣りで広範囲を探れないためか、20センチ前後ばかり。同乗のベテラン森秀幸さん(草津市)が時折、ちょい投げの引き釣りで良型をダブルヒットさせる場面もあるがサイズは23・5センチ止まり。

 そんな中、細見さんの竿にカンカンカンと待望の大きなアタリがきた。ギュンギュン竿を曲げる引きに「これは大きい」と期待が膨らむが、姿をみせたのは23センチのカワハギ。「残念だけど、美味しそうですね」とうれしい外道ににっこり。

 午前9時ごろには、風が弱まり、日差しも出てキスの食いもじょじょに上昇。記者も、負けじと底をたたいたり、左右に仕掛けを引く誘いをかけて同11時までに14~21・5センチを31匹釣り上げて納竿。結局、竿頭は同型を39匹釣った細見さん。竿先を見つめる目が真剣で、キスに違和感を与えないようにゆっくりラインを緩めていき、本食いを待つ女性らしいしなやかなアプローチが印象的だった。【近江康輔】

 【今後の見通し】小浜湾のキスはまだはしりで、これからが本番だ。水温の上昇とともに活性が上がり、数、型ともに期待できる。また、筏ではチヌが好気配。ようやく乗っ込みが始まった感じで大型が狙える。

 【問い合わせ】はやし渡船【電話】0770・77・0591。乗合船6000円、仕立船は5人まで3万円、1人増し6000円。釣り時間は午前6時~同11時まで。仕掛け、エサ常備。

 【交通】大阪から中国自動車道、舞鶴若狭自動車道を利用。小浜西ICを出て国道27号に入り舞鶴方面へ約3キロで右側に同渡船。