八景沖 ウイリー仕掛けで仰天2・1キロのマダイ

きれいな2・1キロのマダイ。やったぜ

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

 誰でも楽しめる釣りとは? 八景「太田屋」が23日、アミコマセを使った五目釣り船をテスト出漁させた。オモリも40~60号を使用し、初心者や女性でも楽チンでできる釣りだ。テストではアジが主力で、元気なサバもヒットする。ウイリー仕掛けには2・1キロのマダイが食ってくる予想外の展開もあったり。この夏の楽しみが、ひとつできた。

 太田一也船長がポツリとつぶやいた。

 「誰もが楽しめる釣り、ってなんですかね」

 釣り未経験の人を楽しませるというのは、八景「太田屋」のコンセプトでもある。ほぼ毎月、マダイ教室を開催する。乗合船に常連さんも一緒に乗ってもらい「こうやって釣るんだよ」という実例を、教室参加者に見せている。

 教室だけの船だと、マダイの初心者やビギナーばかりになってしまう。同乗者としてマダイ釣りの経験者がいれば、釣るコツや失敗談を聞いたり、実際の釣り方を見ることができるため、太田船長は「上達も早いですね」と話す。

 その太田屋がこの夏に企画しているのが「アミ五目釣り」。小さなオキアミのアミエビをコマセカゴに入れて、魚を集めて釣る。そのときに使用する仕掛けはある程度、自由度を持たせる。そこで、23日に実施したテスト船に同乗した。

 メンバーは、ウイリー仕掛けの五目釣りが3人、マダイ仕掛けで臨んだ釣り人が3人、そしてタコボウズ記者はサオ2本で両方狙ってみた。

 ウイリーは全長2・5メートルの3本バリで上2本には色のついた糸が巻いてあり、飾りのない下バリにはオキアミやイカ短をエサとして掛けた。マダイは3号ハリスで全長6メートル、マダイバリ8号にした。

 コマセカゴはオモリのないタイプで、ウイリー仕掛けは40号、マダイは50号のオモリを使った。

 八景沖なので「沖まで10分ですよ」との太田船長の言葉通り、出船から9分42秒だった。本当に近い。

 水深22メートル。手巻きリールで十分だろう。カゴにコマセを入れて底付近で軽く振る。後はマダイもウイリーもハリス分だけ浮かす。マダイ狙いの置きザオが震動した。セットして3分で食った。おちおちカップラーメンも食べていられない。順調にアジだった。手持ちのウイリーにもアジ。2番目の緑色のウイリーバリに食ってきた。エサなしでも反応する。面白い。

 ちょっとタナ(魚の泳層)を上げる。底から4~5メートルでサバが食ってきた。30~35センチほどの食べごろサイズ。タナ調整で魚種を増やすことは可能なようだ。

 左ミヨシの夫婦で乗船しただんなさんのサオがギュン、と曲がった。「ウイリー仕掛けで着底してから、ちょっとずつ誘いを掛けて巻き上げたら、ズドン。びっくりした」。なんと2・1キロのマダイだった。何が起こるか分からない。

 午後2時帰着で結局、アジはサバ交じりで最多60匹とまずまず。少ない人でも20匹は超えた。マダイ狙いの釣り人も「いろいろ狙えて楽しいね。移動距離も短いからビギナーさんやカップル、家族連れにはいいかもね」と、本命にふられたが笑顔をみせていた。

 太田船長は「8月からレギュラーの乗合船にしたい。そのころにはイナダなんかの青物も対象になりそうで、手釣りでやったら引きは楽しいですよ。基本的にどんな釣りをしてもいい。楽しんでください」と、今後の展望について話した。夏休みの思い出に「アミ五目」。ファミリー、船上デート、釣り入門編…。さまざまな目的を受け入れてくれそうな可能性を感じた。【寺沢卓】

 ▼船 八景「太田屋」【電話】045・782・4657。アミ五目船は今後、7月には仕立て船がなければ、毎週土日曜に運航する。明日30日と7月1日は乗合船を予定。午前7時15分出船、午後2時帰着。氷、アミコマセ、エサ付きで8500円。8月からは木曜定休以外は毎日出漁する方向で検討している。要予約で詳細は電話確認してください。他にルアータチウオ、午前&午後アジ、7月からはテンヤのマダコ釣りもスタートする。