茨城・日立沖 納涼イカ夜釣り、4時間100匹超も

釣れたてのスルメイカ。美しい

<フィッシング・ルポ>

 茨城・日立沖で、夜釣りのスルメイカが好乗りだ。日によってまだムラがあるが、4時間で100匹を超えることもある。このエリアはどんなに深くても海面から50メートル、時には肉眼で泳いでいる姿を見ることもできてしまう。釣り方も14センチのプラヅノ、スッテ、手釣り、イカメタルなどさまざまで、自分に合ったスタイルでできるのもうれしい。21日、日立久慈港「川秋丸」から出漁した。

 ジリジリと日差しが照り付ける夏。今年は特に、厳しさを増しているように感じる。暑さを避けて夜釣りに行こう! 日立久慈港「川秋丸」から出漁するスルメイカ狙い。日中は海面から100メートル以深のディープな釣りになるが、夜ならばイカもふわりと浮いてきて、涼しさだけではなく、肉体的にも楽になる。納涼の夜イカ釣りだ。

 釣り方は自由。茨城県独特の滑車を仕込んだ道具を使う手釣りがあったり、プラヅノ(14センチが主流)だったり、スッテだけで釣る人もいる。川崎利明船長は「釣りのスタイルはさ、その人によって違うから。ただ、オモリは60号で統一ね。オマツリで迷惑掛かっちゃうからね。潮が速いこともあっからさ、80号も忍ばせてくれるとうれしいね」とニヤリ。さあ、出船だ。

 夕焼けは美しかった。夏なので午後7時を過ぎてもまだ空は明るい。西の空が少しずつ赤く染まっていく。港から船が離れていくにしたがって、海上を吹き抜ける風は「涼しい」というよりも「やや肌寒い」ぐらい。夏だと気を緩めて、短パン+半袖で乗り込む釣り人もいるようだが、突然の降雨にも対応できるので、カッパを持参するといいかもしれない。

 日も暮れて、闇夜の中、他のイカ釣り船の照明も点々と散らばっていた。空はやや薄い雲が広がり、ぽっかりと半月が黄色い光を放っていた。「いや、これマズいなぁ」と川崎船長。「月齢は見て知っていたけど、月明かりとイカは相性悪いんだ。ちょっくら潮も速いしね」とボソリ。

 最初は水深74メートルの場所で、海面から深いところで50メートル、浅くて同20メートルで、魚群探知機には薄く影が見えるという。14センチのプラヅノ5本で試してみた。大きなシャクリで何かが触る。乗らない。細かく刻むようにシャクって、直後に間をつくるとグンッ、と力が加わった。海面から5メートル、浅い。道糸を張ったまま巻き上げると、25センチ前後のスルメイカだ。潮を逆噴射して元気に上がってきた。

 船中でもなかなか乗らず、最終的にはトップは33匹。タコボウズ記者は7匹。船酔いで0匹だった人もいた。まだ、イカの動きは安定していない。15日には139匹を筆頭に、3人が束釣りだった。シーズンは始まったばかり、暑い夏に涼しい日立沖の夜イカ。ぜひ、どうぞ。【寺沢卓】

 ▼日立久慈港「川秋丸」 【電話】0294・53・5315。夜スルメイカは、港に午後6時集合。午前0時以降の釣りは禁止なので、最長で午後11時50分まで。氷付き1万3000円。要電話予約。日中では黒メバル釣りがエサ&氷付き1万円で。詳細は要確認。