外房・大原 イサキの群れにいるシマアジ釣れちゃう

力漁丸では、シマアジを釣ったら中井聡船長が写真を撮ってくれて、すぐにHPやSNSに掲載してくれる

<釣りをしようよプルルン体験隊>

 高級魚シマアジがイサキの群れの中にいる。外房・大原「力漁丸」(中井聡船長)で盛り上がっている。玉石混淆(ぎょくせきこんこう)とは書いちゃえばイサキに失礼だが、かつてこんなことはなかった。いや、あったけれど気付かなかったのかもしれない…大原、ちょっと遠いなぁ~…などと思っているアナタ、もう電車で前乗りしませんか? 意外と近いですよ。

 当初は、大原のオニ退治がテーマだった。釣った魚で晩酌をするのが大好きな海洋環境専門家・木村尚(たかし)さんと約束していた。力漁丸は、年間を通してオニカサゴを釣らせる先駆で、数年前まで毎週木曜だけ出船していたが「よく釣れる」という評判がたって、今では毎日、オニ退治の乗合船を出している。

 「オニのヒレ酒、最高ですからねぇ~」と木村さんはニタリ。いろいろな魚のヒレを集めて、ヒレ酒を飲み比べる会「F1(ヒレワン)選手権」を開く予定も整っていた。

 ところが、今年のイサキ釣りで異変が生じた。高級魚シマアジがポツリポツリと外道として釣れてきたのだ。中井船長は「今まで、イサキ船でシマアジが釣れることなんてなかった…いや、正体の知れない何かにハリスを切られて逃げられていたけど“犯人”はシマアジだったのかな」と、振り返るように話した。

 さてさて、大原港のイメージ、って「遠い」じゃありませんか? 今回は、木村さんと釣り前日、有楽町駅に近いJR東京駅京葉線ホームで待ち合わせた。外房線特急「わかしお」に乗車して、車内でビールを飲みつつ移動した。乗車時間は約1時間。早い。車ではもっと時間がかかるし、運転手は当然ビールは飲めない。居眠りもできない。電車なら乾杯して、うたた寝して大原まで行けてしまう。これは便利だ。

 絶対にシマアジを釣りたかった。港近くで24時間営業しているドラッグストアで釣り具も販売していて、4号ハリスのウイリー仕掛け(3本バリ)とアジ釣りに使うワームを付けエサとして購入。イサキ釣りでは2号ハリスのウイリー仕掛けを使うが、切られないようにしっかりした仕掛けで対処することにした。これがアダとなってしまった。

 ポイントは大原港沖の水深11~15メートルの浅場。イサキは海面から8~10メートルにいるらしい。シマアジは同6~8メートルとタナはやや浮き気味。木村さんはイサキとシマアジの両狙いでタナを8メートルで固定した。タコボウズ記者はイサキを外して6メートルのシマアジだけのタナで勝負した。ともにイサキはヒットする。しかも尺サイズ(約30センチ)の大物ばかり。しかし、本命シマアジは振り向いてくれない。

 船中では海面から10メートル、8メートル、さらに6メートルとバラバラのタナで600グラムから1キロのシマアジがキャッチされた。ハリスは2~3号。もしかして、切られまいとして対策を打った4号では太くて見切られてしまうのか? 結局、でっぷりイサキだけでシマアジにはヒジ鉄を食らってしまった。

 それでも木村さんは「いや、このイサキ、素晴らしい。シマアジはそんなに簡単に釣れちゃいけない。いい宿題ができた。また、来ましょう。面白い釣りだった」とニコニコ顔。そうか、オニ退治にもきて、ヒレを確保しないといけないんだよなぁ。【寺沢卓】

 ▼大原「力漁丸」【電話】0470・62・0575。シマアジ&イサキ船は、午前3時30分、港の船前に集合。氷、コマセ付きで1万1000円。19日にテンヤマダイ大会(若干空きあり)、9月1日からは、ヒラメの部分解禁が実施される。オニカサゴの乗合も含めて予約受け付け中。14~16日はお盆で臨時休業。