山梨・精進湖 涼求め深く潜行する大型ヘラを探せ

この日最大の39センチ。ヒレもピンとして美しい魚体に関川師範代もニッコリ

<チャレンジ!!ヘラブナ道場!!>

 猛暑で“隠れんぼ”するヘラを探せ! 今月25日(土)、本社杯の最終予選が山梨・精進湖「湖畔荘」で行われる。標高900メートルの高地でも暑~い夏の影響は及んでいて、水温は最高で28・3度まで上昇した。さすがにヘラも涼しいエリアを探しているようで、特に体格のいい大型は深く沈んでいる。さて、どうやっておびき出そうか。

 うだるような暑さだ。避暑地と評される富士五湖でさえ、その酷暑の洗礼を浴びている。関川康夫師範代がサオを出したのは14日。前日13日には午後2時から強めの雨が差し込み、夜まで断続的に降り続けた。

 「湖畔荘」渡辺金尊店主(77)は「精進湖で生まれ育ったけど、こんな暑い夏は初めて」と額の汗をぬぐった。標高900メートル、昼間の暑さはあっても、夜間に急激に冷え込むため、水温は過去記録でも27度台から上昇したことはなかった。それが、今年は8月上旬に28・3度にまで達した。

 師範代 こりゃ、大変だ。ヘラにしてみれば、水温1度の差は死活問題。大気と違って、湖の場合は同じ温度が断層になっているから、涼を求めるならば潜っていくしかない。特に大きいヘラは沈んでいると思っていい。

 夏の精進湖は緩めの南風が湖面を吹き抜ける。師範代は南側に岬を構える松ノ木下のロープを選んだ。

 師範代 松ノ木下だと、象徴的な大きな松が3本立っている方を選びがちだけど、そこだと南風を正面から受ける。南側だと岬で風を避けてくれる。ボートも北側に傾けるように結ぶといい。風を背中から流すようにすると楽にサオを振れますね。

 松ノ木下に限らず、風を遮断できる裏のエリアを探してボートを付けるのは作戦として「あり」だ。

 師範代、さっそくサオを出すと「オヤッ」と首をかしげた。事前に聞いていた情報では「4匹で1キロ」クラスのヘラだったが、一発目から600グラムの良型がヒットした。サオを19尺から17尺に替えた。

 師範代 20~30センチぐらいの細かいヘラが上ずっている。その下にたっぷりボディーのヘラがいる。エサはボソタッチがいいね。

 200ccの計量カップで「凄麩」「ガッテン」「パウダーベイトヘラ」が3・1・1。そこに「粘力」をスプーン山盛り1杯を加えてかき混ぜる。

 師範代 ここに水1・5を注いで指を立てて熊手のままで整える。練ってつぶすのではなく粒子を残すイメージだね。もうね、ボソボソしたエサ作りでいいね。

 ヒレがピンとしていて、きれいな魚体だ。

 師範代 かなり魚影は濃い。ただ、手返しよくリズムよく投じていかないとヘラがその気になってくれないかもしれない。ウキがなじんですぐ、シュポッ、としけ込むような待たない釣りを想定するといいですね。

 ハリスは、上45センチ、下55センチ。大きな魚が掛かることが分かったので、ハリはバラサ7号から9号に切り替えた。

 師範代 エサはバラけるので持たせるためにハリを大きくした。10号クラスの大きさでもいいぐらい。それとサオ17尺は魚の活性を考えるとこれがギリギリだったかも。21尺でさらに深いところにいる大型を振り向かせることも悪くない。そのときの状態にもよるけど、どこかにヘラは潜んでいる。うまく探して予選を突破してください。決勝の西湖で待ってます。

 ▼宿 精進湖「湖畔荘」【電話】0555・87・2003。ボート料金は2500円~。食堂も営業していて、出舟前に食べられる朝定食700円のほかランチも各種おいしいので、ぜひどうぞ。

 25日の予選は、総重量審査。受け付け午前4時、出舟同5時、帰着午後2時。競技エリアは葉山新ロープ~コタツロープまで、本湖は矢鼻~小割を結んだ内側。まだ、参加枠はあるので応募待ってます。

 上位5人が9月1日(土)の西湖での決勝に進出する。決勝は午前4時30分受け付け開始、同5時ルール説明、同5時半スタート、帰着・検量は午後2時。