駿河湾で7年ぶりカツオ大漁 5キロ級も上がる

今日も駿河湾のどこかで3~4キロのホンガツオが海面でバチャバチャ暴れている

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

駿河湾でホンガツオ(以降カツオ)が釣れている。およそ7年ぶりの豊漁だ。7月下旬に1・5~2キロの大きな群れが入ってきたが、どうやら3~4・5キロの別群れが入ってきた模様だ。ただ、この漁期が長く続いてくれるのか、それは誰にも分からない。それでも駿河湾では各地の遊漁船が船団を組んでカツオを追いかけている。久料「魚磯丸」に乗り込み、初めてカツオと対峙(たいじ)した。

自慢ではないがカツオの乗合船には数知れず乗っているものの、サオを出したことはない。ほぼ毎回満船、物理的問題で釣りができなかった。しかも、カツオの姿が確認されても3日も続かずに終わってしまう年もあって、取材すらできないこともあった。

渡り鳥のように移動を続ける魚であるがゆえ、話題だけの「幻のカツオ」という印象はぬぐえない。

そのカツオが、今年はいい。相模湾でも釣果があがっているが、特に駿河湾がすごい。7月下旬で1・5~2キロの若い群れが入り込んだが、8月中旬から3~4・5キロを中心に5キロ近い個体もあがっている。出没エリアも広範囲。焼津~大井川沖でナブラがたったと思えば、数日後には湾奥の由比沖で現れるなどなかなかの神出鬼没ぶりだ。18日、魚磯丸から出漁した。

駿河湾のカツオ取材は2011年の勢いが忘れられない。今回もカツオ船の船長は「7年ぶりだね。あのときの興奮がよみがえるよ」と異口同音にいう。カツオ、そしてキメジ(15キロ未満のキハダマグロの若魚)が次々に釣れた。タコボウズ記者も当時、田子の浦「海渡」に乗り、ベテランの釣り人を密着マークして写真を撮ったが、サオを出すことはなかった。

今回は、乗船者にキャンセルが出て、急きょサオを握ることができた。「見る」と「やる」では大違いだった。サオは胴調子の短い1・5メートル。道糸はPE6号以上。リールはガチガチに固くするフルドラグに設定し、ハリスは30号を1・5メートル、ハリはヒラマサ16号と、食いついたカツオを逃がさない準備を整えた。さあ、カツオと戦うぞ。

ポイントは焼津沖。タナ(魚の回遊層)は海面から15~20メートル。駿河湾の各港からカツオを目指して30隻前後が浮かんでいた。仕掛けを投入すると、すぐ答えが出た。タコボウズ記者のサオがしなった。強烈な引き。サオが海中に持っていかれないようにロッドキーパーに装着して、糸を巻くことに専念する。力比べになるが引き味の鋭さ、強さに興奮し、あっというまに3キロ級を船中に取り込んだ。両手が気持ちよくしびれている。これは気持ちいい。

コマセのオキアミを入れるカゴは穴の大きい青物仕様のタイプ。派手にオキアミが振りまかれる。高速で泳ぎまくるカツオ。ほぼ同じ層を泳いでいるので、船長から指示されたタナを間違わなければガツン、という衝撃を堪能することは難しくない。

結局、タコボウズ記者は3~4キロを6匹釣った。計10人の船中では3~8匹で、3人が6匹だった。初挑戦の3人も全員が釣れてホクホク顔。駿河湾のカツオ、道具をそろえて、船長のアドバイスに耳を傾けていれば、脂の乗ったカツオをゲットできますよ。【寺沢卓】

▼宿 久料「魚磯丸」【電話】055・942・3230。ホンガツオ乗合船は集合午前4時で氷&コマセ付きで1万3000円~(狙う場所によって料金変動があります)。宿特製仕掛け800円。午前4時45分集合の活イワシで狙う根魚五目も希望で出船する。田子の浦「海渡」【電話】0545・60・0708。集合午前4時、氷&コマセ付きで1万3000円。