静岡・興津川 アユ20cm超えも まだ大型狙える

予選スタート。茂野島橋上流にはサオの放列が並んだ

<フィッシング・ルポ>

綿密な読みで初優勝を引き寄せた。「2018日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」アユ釣り大会が9月23日、静岡・興津川で開催された。サブタイトルは「興津川アユ100人大会」としていたが、なんと予選だけで106人、決勝でのシード選手4人を含めると計110人の競技会となった。水況も最高の状態で青空の広がる中、昨年準Vだった小寺太さん(69=豊田市)が断トツの20匹、総重量1094グラムで初優勝を成し遂げた。

110人の頂点に立ったのは小寺さんだった。アユの大会は今年だけで3度目の優勝になる。

小寺さん 何の拍子なのか、今年は勝てるんだわ。いやいやおかしいね。

勝ったのは単なる偶然ではなく、細かい下準備があってのことだった。昨年準優勝で、今年は予選免除のシード出場だった。午前中はじっくりと川見ができた。決勝では入ったのは上流域の布沢との合流ポイント。昨年と同じ場所でもある。工事の仮橋のかかっている付近だ。川幅は狭くチャラ瀬になっていた。

小寺さん 誰もここに入ってなかった。上下流全部見たけど、3回確認した。川が浅いし、魚の影も薄い。でも、魚影が濃くないなら、そこにオトリアユを泳がすことで目立つから、縄張り意識の高い大きなアユと勝負できると思った。

興津川は元来、オトリを自由にさせて楽しむ川だ。

小寺さん サオを立ててオトリを泳がせたけど反応なし。サオを寝かせて、オトリを速く引っ張ったらゴツン。やはりデカい。計算通りでした。

十分な川見が結実して、釣果は20匹。しかも大型ばかりで総重量も1キロを超えた。完勝だった。

準優勝は兵藤雅人さん(50=掛川市)だった。予選はクジで下流しかも54人中41番目の入川で新東名高速付近に入った。

兵藤さん 時合まで1時間とみていた。すぐ隣の人が移動したので、2人分のエリアを攻められた。時合もぴったりで、おかげさまで予選突破できた。

決勝は25人中3番目の入川でクジ運に恵まれた。

兵藤さん 競技で1ケタなんて初めて。希望の場所に入れて、流心は予選でやられていると思ったので、人が立つあたりを探ったらバッチリ。計算通りでした。

3位は小林伸司さん(50=静岡市)で、予選上流で40分かけて歩いて、トップ21匹で決勝にコマを進めた。予選からの帰る途中、土村キャンプ場が気になって、サオをだしたらすぐ1匹掛かった。

小林さん いいチャラ瀬を見つけた、と思った。川遊びの子どもがいて、もうちょい釣れたかな。でも、言い訳はなし。いい釣りができました。

大会運営委員長の相吉孝顕さん(83=日刊釣りペン・クラブ)は「9月は増水ばかりだったけど、大会の日に水位が安定した。しかも晴天で水温もアユが泳ぎ回る環境にもなっていた。いい大会になりました」とニッコリ。検量に持ってきたアユは予選・決勝で計1093匹。20センチ超も多かった。興津川、まだまだ大型が釣れますよ。アユ秋の陣、どうですか?【寺沢卓】

▼ルール 事前登録した予選参加106人が、大会本部となった茂野島キャンプ場を境として、上流エリアに52人、下流エリアに54人(2人欠席)に分かれて2時間友釣りで競った。予選は数釣りで、オトリアユ2匹を含んだ釣果で上下流ともに10位タイまでが決勝に進出。予選から勝ちあがったのは上流10人、下流11人の計21人。決勝ではシード4人を加えた25人で競った。決勝は上下流関係なく好きな場所での釣行を2時間。同数の場合は総重量で重い方が上位。

▼問い合わせ 興津川「あこがれ亭」【電話】054・393・3814。興津川非出資漁協【電話】054・393・3894。