駿河湾 巨大マダイ女性ビギナー楽々釣った

藤田さん、生まれて初めての釣りで見事にマダイを釣り上げた

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

3匹の合計重量で競う春季の日刊スポーツ杯「駿河湾マダイダービー」も定着してきたが、現在、大きいサイズのマダイが話題を呼んでいる。秋ダイは数釣りで知られるが、今シーズンはデカさが目立っている。そこで、毎年、同ダービーで上位争いを展開する久料「魚磯丸」と御前崎「博栄丸」に乗り込んだ。それぞれ釣り初体験とマダイ歴1年の女性にサオを握ってもらった。駿河湾のマダイは女性に優しいのか?

10月15日。沼津・久料「魚磯丸」は釣りが初めてでも優しく応対してくれる。

久保田清船長 今年の秋はすげえだよ。大きなマダイがぼんぼん釣れる。この前なんか釣りが初めての小学生2人とそのお母さんが3~6キロのマダイをみんな釣って帰った。釣り道具はレンタルであるし、釣り方も釣り用語を使わずに全部教えてあげますよ。

これなら安心だ。三島市在住の40代の女性、藤田とよえさん。海が近いのに釣りとは縁がなかった。最近、周囲の友人が次々に釣りデビューする話を聞いて触発された。「波の揺れだけで上下動していたサオ先が突然クククン、って揺れるのよ」とほおをまっ赤にしてしゃべる友人の表情に嫉妬した。

藤田さん ああ、私もその「クククン」体験をしたい。できるかしら。

釣り好きの知人に聞いて、初心者でも釣果を出している魚磯丸を紹介され「もう、エイ、ヤッてやってみようと思いました」と車で30分の魚磯丸までやってきた。

サオのセットも全部してくれて、エサの付け方や、仕掛けの投入方法も全部手取り足取り教えてくれた。タナ(魚の回遊層)は海面から25~60メートル。電動リールなので楽チン。言われた通りに操作して、藤田さん2匹のマダイをゲットできた。

藤田さん マダイ、ってこんなに簡単に釣れるんですね。私、運動神経ゼロなの。でも、できる。もっと早くやっておけばよかった。女性1人でも来られるし、クククンも分かった。気持ちいい。もう、ハマリそうです。

今秋の久料では、8キロ級も連発している。まだまだ、マダイの秋は深まりそうだ。

10月17日。御前崎沖はなだらかだった。珍しい。久料での仕掛けはハリス6号6メートルの「太く短く」だったが、御前崎「博栄丸」はハリス4号10メートルと「細く長く」が定番だ。御前崎沖のタナは海面から28~35メートル。浅い。しかも、潮流れが速いため、仕掛けの途中でガン玉を3~5個打って真っすぐ下に落ちるように細工されている。

ところがこの日は、ほぼ風もなく、潮もユルユル。何もしなくても仕掛けが真っすぐ落ちていった。

大沢洋輔船長 潮が流れないから厳しい。反応は悪くないから、タナが決まったら軽く1メートルほどゆっくり浮かせて、またゆっくり戻す。静かな誘いは有効ですね。

この日は「ゴルフ大好き」という松原明奈さん(30)が名古屋市から遠征してきた。知人に誘われて1年前から釣りを始めて、マダイ釣りは「2~3月に1回のペース。まだ、コツはつかめません」と話す。

浅いタナなので女性の力でもつらくない。コマセを振って、サオを置いて待つと、いきなりブルルンとサオ先が震動した。合わせて電動リールで巻き上げると35センチ前後のマダイと40センチ級のイサキが一荷で掛かった。

松原さん キャー、楽しい。もう、すぐ、釣れちゃうんですね。

そして、1時間後、タナにセットした直後にサオがいきなり海中に持っていかれた。小気味よく合わせると、リールが巻けない。ちょっとだけ走られたが、釣りあげると3キロのマダイ。

松原さん うわー、こんなのが釣れるんだ。マダイ、楽しいです。

船中では、カンパチやワラサ、大型アジも間断なく釣れていた。大沢船長は「まだ、始まったばかり、これから11月も面白いですよ」とニヤリと笑った。

▼マダイ乗合船 久料「魚磯丸」【電話】055・942・3230。午前5時30分集合でコマセ、エサ、氷付きで9500円。御前崎「博栄丸」【電話】0548・63・3337。午前5時30分集合、氷付き1万1000円。