東京湾 スミイカでっけぇ~「ワラジ」級次々ヒット

ベテランの浅川さんも笑顔。今季は手のひらでも隠れないこのサイズが主流

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

東京湾のスミイカが絶好調だ。キスザオをシャクって、エギを上下動させて、スミイカに抱きつかせる。秋の定番の釣りだが、今季はサイズが大きい。通常なら滑り出しの今ごろは握りこぶし程度、いわゆる「コロッケ」と称される大きさが大半。ところが、すでに「ワラジ」級が次々にヒットしてくる。イカの中でもうまさでは最上級。さあ、グンと重みを感じるスミイカ釣行にぜひ!

東京湾・中ノ瀬。やや木更津沖だが、東京湾のど真ん中になる。そもそも東京湾は陸地で、地面が割れて千葉と神奈川に分かれてしまった。その真ん中に海水が入り込んで、東京湾の原型ができた。地面が分離した際、南北に約11キロの海中に没した島ができた。それが中ノ瀬だ。

東京湾のど真ん中なのに、水深15メートル前後の浅瀬になっている。シロギスやアジの好ポイントだが、小魚なども群れで泳いでいるため、スミイカも多く出没する。特に今年は、スミイカのサイズが大きい。通称「コロッケ」と呼ばれる小型がいない。大きさでいうなら手のひらから飛び出してしまう。

川崎「つり幸」の水野聡船長は「乗合船でスミイカがスタートする10月の品物じゃない。こんな大きいのがウヨウヨいるのは聞いたこともないし、見たこともない」と目を丸くする。

つり幸はエギ専門船で、午後からの出船になる。朝イチ便では、ブルブル震えて防寒が必要だが、午後便だと秋の青空が広がる天候ならば、半袖でもいいぐらいの暑さになる。

ただし、相手はスミイカ。スミの濃さではイカ類で最強と評されており、間違っても白い服はやめておいた方がいい。スミイカのスミを記念に残したい理由がない限り、着古して「もう捨てちゃおうかなぁ」という服を一番上にまとうのがオススメです。

24日午後便に乗船した。この日は潮回りが良かったのか、9人が乗船してみんなゲットできた。中でも、この日初チャレンジの植木喜子さんは、最初タナ取りに苦戦していたものの、記者から<1>中オモリが着底したらハリス分を巻き上げる<2>シャクリの幅を出すためにサオ先は下に向ける<3>エギが落ち込む時に抱きついてくるのでサオを振り上げるときに集中する、といったアドバイスを受けた直後、「なんか重いです」とスミイカと初対面。以降、タイミングが合ったのか、計9匹の釣果を残した。

初めてでもコツさえつかめば、簡単にエギを抱かせることができる。イカやタコは「釣る」ではなく、エギに「乗る」と表現する。いかに乗らせるか。フワリと落ち込んでいくエギをどう想像できるか。

中オモリは10号。その下に伸ばすハリスは1・5~3メートルで、自分の好みの長さを見つけてほしい。エギはその時のスミイカの気分によるので、2・5~3・5号まで、色もさまざまな種類を持っているといいかもしれない。【寺沢卓】

▼船 川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。エギ使用。出船午後0時30分、氷付き6500円。八景「太田屋」【電話】045・782・4657。午後0時30分出船でエギ専門、氷付きで6200円。スミイカ船そのほかでは、午後のエギングは新安浦「長谷川丸」【電話】090・6021・5919。ただし、潮回りでタイラバに変更されるので要確認。鶴見「新明丸」【電話】090・3519・1111。シャコテンヤ専門。