久里浜沖 マダイ船中23匹も受講生は6人で2匹…

5年前に教室で指導を受けた井川和雄さん。この日は3匹ゲットした

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

八景「太田屋」おなじみのマダイ釣り教室で異変!? 10日、ベタナギ快晴の中、いつも通りに教室が開催された。受講生は6人、その他に常連9人が乗り込んで計15人のにぎやかな釣行となった。船全体では23匹と絶好調! …と、言いたいところだが、教室は2人が1匹ずつを釣っただけ。えっ、何が違ったのぉ~。また、11日には海を育てるアマモの種子をまく恒例行事も実施された。

なぜか釣れない。左舷に並んだ教室参加者6人のサオはピクリともしない。逆の右舷の常連さんは忙しくマダイを次々に取り込んでいた。

何が違うのか? 

出船前、受講生はこう話していた。

日野市在住の奥住貞夫さん(54)はもともとアユ釣りから始まって、今はアジ釣りにはまっているという。「マダイ釣りは初めて。まずは釣り方を覚えて帰りたい」と意欲満々だった。深田哲也さん(39=鎌倉市)と武井啓二さん(39=逗子市)の友だちコンビは2度目の参加で、前回は深田さんが1・3キロ、武井さんが2キロを釣り上げていて、それぞれ「初回の自分を超えないと」と力がみなぎっていた。

吉原重之さん(47=横浜市)は10月20日の教室で「ボウズだった。とにかく釣りたい」と目をらんらんとさせた。鈴木敏浩さん(51)と知子さん(52)は10月6日のスミイカ講習会で2人ともイカをゲットしていた。「マダイもいっちゃいますか」と陽気に笑った。さあ、船出だ。

久里浜沖。タナは海面から40メートル前後。午前中、潮は下げ。外洋から東京湾に流れてくる。ミヨシ(船首)は南を指している。振られたコマセがトモ(船尾)に集まってくる。後側に座る常連さんは次々にサオを上げてマダイを取り込んでいった。

コーチの新井利行さん(55)はタナの取り方、コマセの振り方、回収したエサの確認などの説明をして、乗船から1時間ほどで6人全員がコマセマダイの基礎はマスターできたようだった。

基本通りに手返しもスムーズになったが、アタリがこない。

じゃ、何が違うのか?

太田一也船長は「エサ取り(本命以外でハリに付いたエサを食べちゃう魚)の対処方法とハリのエサ確認のペース」と分析した。

つまり、見た目には同じことをやっていそうなのだが、仕掛けを回収したときにエサが残っていないと、常連は次回からタナを少しずつ上げたりして本命のいる場所を探していた。これがエサ取り対処法。

そして、ハリにエサさえ付いていれば、釣れるチャンスは残っている。ハリにエサが付いていない時間が長ければ長いほどチャンスの芽が失われていく。だからこそこまめなハリ確認は必要なのだ。

教室の受講生に並んでサオを出していた井川和雄さん(45=横浜市)は5年前の教室参加者で3匹を釣り上げていた。「教室、懐かしいです。なんとか釣ることができてよかったです」と井川さんは笑った。ほんのちょっとの差。でも、今は埋まらない差でもある。コーチの新井さんは「あとは経験だね。意識をしていれば自分だけバカバカ釣れることもある。みんなあともうちょいですよ」と励ました。【寺沢卓】

▼船 八景「太田屋」【電話】045・782・4657。釣り教室は、講習会からスタートするので午前6時20分集合。出船は同7時15分。料金はエサ、氷、レンタル道具がついて男性1万500円、女性と子どもは7000円。次回の教室は12月22日(土)になります。他に午前&午後アジ、午前ルアータチウオ、午後エギスミイカ。仕立て船や屋形船、バーベキューなども楽しめますよ。