和歌山・紀の川 都祭選手V、G杯のうっぷん晴らす

次々にヘラを仕留めていく都祭選手

ヘラブナの総重量を競う「第6回GFG(がまかつファングループ)へらぶな東西対抗戦」(主催・がまかつファングループ本部、後援・(株)がまかつ、GAMAKATSU PTE LTD)が5日、和歌山・紀の川市の「釣堀センター菊水」で東、西地区の予選を勝ち抜いた24選手が参加して行われた。1、2号桟橋で午前7時~正午まで戦い、12尺のセット釣りで20・7キロを釣った都祭義晃選手(関東)が見事、初優勝。2位は19・2キロで南治孝選手(関西)、3位は15・5キロの佐久間幸治選手(東北)が入った。団体戦は東軍が3年連続、4回目の優勝を飾った。

鷹が獲物を狙うような目で次々に鋭いアタリをとらえた都祭選手。先々週のG杯ヘラでは予選、準決勝とトップ釣果(各組)を出すも、決勝では同じくトップ通過の天笠充選手(船橋市)に910グラム差で敗れ、準優勝に終わった。敗因は「いけちゃうかなっていう油断がありました」と振り返る。

そんな反省点をGFGヘラにぶつけるようにトーナメントモード全開で戦った。大助が自慢の池だが、あえて両グルテンは使わずに試釣りで見切った12尺竿のセット釣り(浅ダナ)で勝負した。バラケは魚を遠ざけないように練り込んだダンゴタッチのもの。G杯同様、釣り方に迷いなし。

ヒットパターンはタナの調整。「カッツケがOKな池なので、エサ、セッティングは追い詰めないで、ある程度固定でやって、タナを小まめに調整した」と話す。朝イチは80センチから入り、アタリが増えると浅くし、カラツンが出ればさらに浅くし、動きが静かになったら深くしての繰り返し。

食いアタリの出方は「バラケがついている時に当たるか、バラケがついている時に触りがあって、落ちて当たるかのどちらか」。カラツンも多いが、ウキがズバッと入るアタリを積極的にとり続け、8尺のちょうちんセットで追い上げる南選手に1・5キロ差をつけてフィニッシュ。池の状態を読み抜き、高い集中力でアタリをとっていく、心技一体の見事な釣りだった。

初のGFG杯を手にすると「きょうは完璧な釣りができました。池の状態を見極める力がだんだんついてきたと思う。自分の中でいいときがあって、ダメなときがあって、そこからまた上がっている途中みたいな感じ。まだまだ通過点です」とG杯同様のコメント。

都祭選手の目標はヘラ釣りの職人になること。「その日、その日を完全に釣りきりたい。常に池の状態にアジャスト出来るように、すべての釣り方の精度を上げていきたい」。ヘラ釣りの奥の深さに魅せられた男がさらなる高みを目指す。【近江康輔】

◆都祭義晃(とまつり・よしあき)1981年(昭56)9月25日生まれ、37歳、血液O型。千葉県香取市在住。自営業。ヘラ釣り歴26年。ACクラブ所属。ホームは千葉県内の管理池。「第40回G杯争奪全日本ヘラブナ釣り選手権」(千葉県柏市・清遊湖)準優勝、「第2回GFGへらぶな東西対抗戦」(滋賀県甲賀市・甲南へらの池)準優勝、第1回スポーツ庁長官杯争奪 精進湖全国へら鮒釣大会優勝。

【上位成績】◆個人戦 (1)都祭義晃(関東)20.7キロ(2)南 治孝(関西)19.2キロ(3)佐久間幸治(東北)15.5キロ(4)辻 広嗣(関西)14.4キロ(5)植原正記(関東)14.3キロ(6)石川智睦(関東)14.2キロ(7)森重康一郎(九州)13.4キロ(8)田中郁男(上信越)11.4キロ=敬称略。◆団体戦 東軍=125.4キロ、西軍=119.8キロ。