新潟・佐渡島 未経験者でも簡単、爆釣スポットの島

大きなヒガンフグ。菊地さん、おどけた表情をみせる余裕すらある

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

新潟・佐渡島でぐるんとちょい投げ! 360度、日本海に囲まれた佐渡島で岸から仕掛けを投じるブラクリ釣りとサビキ釣りをしてみたら、際限なく釣れちゃった。そりゃ、関東からはちょっと遠いですよ。でも、覚悟を決めて、宿泊予約をとって、足を延ばしてみませんか? 未経験者でも簡単に魚がかかる爆釣スポットばかりですよ。

菊地茂樹、46歳。佐渡島で生まれて、佐渡島で育ち、佐渡島の観光交流機構で働いている。佐渡島の観光のスペシャリストだ。車には必要ないのでナビはなく、佐渡島のことで知らないことはほとんどない。

取材日の1週間前、菊地さんに「釣れる場所を教えて」とリクエストした。あやふやな返事を聞いて、あっという間に取材当日となった。新潟港からのフェリーで両津港へ。迎えにきた菊地さんと握手をして「私、釣りをしたことないんです」。えっ、何それ?

佐渡島の釣りに詳しい三井宏志さんを訪ねた。沢根「山田屋釣具店」代表だ。23日に観光交流機構が主催・実施する「佐渡で日帰り釣り三昧ツアー」のコーチ役でもある。

三井さん 佐渡は必ずどこかが風裏になるし、港でコマセをちょっとまくだけでアジが集まって簡単に釣れる。加茂湖ならクロダイですね。初心者にも必ず釣らせますよ。

菊地さん、いいターゲットだ。「えっ、だって釣り、本当にやったことないんですよ」。だから、いいんじゃない。

一夜明けて水津。岩場が多く、穴の中に潜む魚をブラクリというオモリの下にハリが垂れる仕掛けで誘う。プルルン! さっそく、菊地さんがクロソイ、タコボウズ記者がアイナメ、三井さんがベラを次々にキャッチした。魚影が濃い。

サイズアップを目指して、加茂湖に移動。絶好調の菊地さんはブラクリ仕掛けの投げ釣りで底を引きずってハゼ、ヒガンフグを釣り上げた。残念ながらクロダイを狙っていた三井さんは不発で、表層を群れで泳ぎ回るサヨリをゲットした。

菊地さんは「こんなに近かったのに釣りをしなかったなんて。いいんですかね、これ仕事で。楽しいんですけど」と張り付いた笑顔が離れない。

加茂湖を一望できる佐渡グリーンホテルきらくの露天風呂で冷えた体を温めて、宮川甲「味心・神楽(あじごころ・かぐら」で海鮮丼を食べて腹ごしらえ。羽二生(はにゅう)勲店主(47)は神戸で和食修業して故郷に戻って9年目。「釣り好きです。仲間が釣ってきた魚で宴会もしてます」と笑った。三井さんとは別れて、小木(おぎ)に定番のアジを狙いに移動した。

近くの釣具店で購入したオモリ付きのコマセカゴが面白い。底部分がパカリと開いて手を汚さずにアミコマセを挟み取る仕組みだ。このコマセカゴが活躍して、釣りにはまった菊地さんは約30分で13匹。「なんですかぁ~、これ。楽しすぎますぅ~!」と海に向かって大絶叫。

宿泊は小木「又七」、稲鯨「敷島荘」に。どちらも民宿だったが、料理もおいしく大満足。3日目は何もない殺風景な漁港二見(ふたみ)。不安を抱えてサオ出したら30センチ前後の良型が連発した。30分ほどで菊地さんは15匹と大きなコノシロをゲットした。両津に戻ってアジ、イシダイ、カワハギを追釣し「りんか亭」で味わった。

菊地さんは「佐渡を知らなかった。釣り、楽しいです。この面白さを伝えないと。23日にも釣りイベントがあるし」とサオを強く握りしめた。【寺沢卓】

▼問い合わせ(市外局番0259) 佐渡沢根「山田屋釣具店」【電話】52・6513。佐渡の磯&堤防釣りのほかに仕立て船の相談などもOK。一般社団法人「佐渡観光交流機構」【電話】23・5230。宿や観光について気軽に連絡してください。

▼食事 宮川甲「味心・神楽」【電話】66・2822。両津「りんか亭」【電話】67・7689。

▼宿泊 小木「民宿又七」【電話】86・3029。稲鯨「民宿敷島荘」【電話】76・2100。

▼温泉 加茂湖「佐渡グリーンホテルきらく」【電話】27・6101。日帰り入浴500円。宿泊も可。

▼佐渡で日帰り釣り三昧ツアー 23日午前9時・両津港佐渡汽船ターミナル改札出口集合。貸し釣りザオ、エサ代、インストラクター代、りんか亭での昼食代込みで6000円。午前は赤亀岩、午後は加茂湖畔で釣り。島内の移動も料金内。防寒具とつま先のある靴、クーラーボックスは持参。解散は午後5時。関東地区からでは当日集合は無理なので、前日から島に渡るのがいいかもしれない。ちなみに申し込み締め切りは、本日16日午後5時までに佐渡観光交流機構・栗山まで。