＜船FISHING＞

肉が厚く、型のいいケンサキイカが釣れさかっている福井・若狭大島沖へ先日、「川口渡船」（日刊銀鱗倶楽部加盟店）の船で夜釣りに出た。あいにくの月夜で爆釣とはいかなかったが、底付近をていねいに探るとメタボな良型がコンスタントに掛かり、午後11時までに船中で胴長17～32センチを11～57匹釣り上げた。イカ飲ませでは76～80センチのジャンボマダイが4連発の大暴れ。眠気も吹き飛ぶ興奮ファイトを楽しんだ。

掛かれば、グッドサイズ間違いなし。この時期のケンサキイカは平均サイズが胴長25センチ。大きいものは35センチもあり、身が厚いのが魅力。そんな、メタボなケンサキを狙おうと大島沖の水深80メートルラインに入った。日が暮れ、集魚灯が点灯されるといよいよスタート。狙うのは底から10メートル上まで。

入れ掛かりに期待が膨らむ中、1投目から竿を曲げたのはイカメタル初挑戦の山口香織さん（堺市）。「ギュンギュン引くー。めっちゃ楽しいです」と、30センチの良型を手にして大喜び。そして胴突き多点針仕掛けの記者には、同サイズがダブルでヒット。手に持つと夏場よりも重量感があって、肉の厚さが伝わってくる。

へ先では日刊FPCの兵頭良弘さんが1時間ほどで2桁キープ。「底からワンピッチでしゃくり上げ、テンションフォールさせると乗ってくるわ。でっかいやつばっかりやで」と笑顔で釣っていく。ケンサキが嫌がる月夜だが、ていねいな誘いと、食わせの間をしっかりとってやるとコンスタントに釣れ続く。

そして3時間ほどすると掛かったイカを横取りしていく大物の気配が濃厚になってきた。大型のマダイかブリか！？　すかさず、釣ったイカをエサに飲ませ仕掛けを海底へ落とし込んだ。

すると待ってましたとばかりに豪快な三段引きで竿が次々にしなっていく。なんと76～80センチのマダイが4連発の大当たり。へ先の桜井実さん（寝屋川市）が80センチ、記者に76センチ、兵頭さんが80センチ、船尾の沖田徳広さん（同）も80センチを仕留めた。

さすが、イカ飲ませ。こんな簡単にジャンボマダイが釣れてしまうなんて。マダイの口の中には数匹のイカが入っていた。イカの効果、恐るべし。これを見ていた山口さんも「まるで打ち上げ花火のようですね。夜中にドカンドカンと、こんな大きなマダイが次々に釣れるなんて、びっくりです」と驚いていた。

その後も大物の気配は続いたが、2匹も食べきれないので、再び本命を狙っていくことにした。後半戦も、底付近でメタボなケンサキが釣れ続き「誘い上げたあとに竿先をすとんと下げ、スッテを横にするとなんぼでも釣れるわ」と兵頭さんが入れ掛かり状態に。午後11時までに17～32センチを57匹釣りあげた。記者も34匹ゲット。獲物は刺し身、てんぷらで食べたが水温が下がったせいか、うまみが増していて、おいしかった。【近江康輔】

【今後の見通し】ケンサキイカは、数年ぶりに群れが大きいようで、年末まで釣れ続きそう。闇夜で潮がほどよく流れる日なら3桁釣りも期待できる。半夜釣りでは良型のマアジやマサバ、レンコダイなども食う。

【問い合わせ】川口渡船【電話】090・8969・7909。半夜仕立船料金5人まで7万円（1人増8000円）。乗合船料金1万3000円～。

【交通】舞鶴若狭自動車道の小浜西ICを出て国道27号を西へ。青戸大橋を渡って県道241号を走り、トンネルを2つ抜け、右手に入り江が見えてきたら右折。海岸沿いの道を進むと、左手に川口渡船があり、その向かい側が乗船場。