千葉・飯岡 マダイダービー師資田さん3年ぶりV

開幕早々に大ダイをゲットしてダービーを制した師資田さん

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

千葉・飯岡の「梅花丸」(梅花武幸代表=56)のマダイダービー最終決戦が11月25日の午後便で行われた。9月1日から2匹の総重量で競い、大ダイをゲットした上位20人のうち、13人が集結。一発逆転を狙ってサオを出した。4~5キロの大物も上がったが、順位は変わらないまま。2匹で計16・2キロ(9・5キロと6・7キロ)を記録した師資田(ししだ)誠さん(48=千葉市花見川区)が、3年ぶり2度目のマダイ王に輝いた。

師資田さん、開幕初日の9月1日に9・5キロの巨ダイを釣り上げた。3年前、千葉・外房の大原で9・8キロの自己最高を記録したが、飯岡ではこれが最大。この一発が大きく、ものをいった。「同じ日に8・5キロも釣ったんです。1回の釣行で最大1匹だけが審査対象というルールで、こちらは幻になりました」と笑う。

気を良くして翌週の8日にも梅花丸に乗り、今度は6・7キロをゲットした。開始から8日で16・2キロと堂々トップに躍り出る。他の追随を許さず、押し切った。

8月15日から釣れ始めた飯岡沖のマダイ。「例年よりも大ダイが釣れるのが早かったため、昨年は10月にスタートしたダービーを今年は1カ月早くした」(梅花代表)。

毎週のように通っていた師資田さん、お盆すぎから何度もバラした経験から、タックル設定を考え直した。「道糸はPE1・5号、リーダーは5号、リールのドラグは2キロに調整しました」と振り返る。

梅花丸の推奨は、道糸PE0・6~1号、リーダー2・5~3号、ドラグは1~1・5キロ。糸は通常より太い。リールのドラグも重い分、巨ダイの豪快な引きに耐えられるようにした。

優勝の決め手となった9・5キロは、10号のテンヤが着底する前の落とし込みで食った。「もぞもぞとエサの冷凍エビをつついて2~3秒動かなくなった時、大きく合わせてハリに掛けた。最初の抵抗に対し、力任せに一気に巻いた」(師資田さん)。大物対策設定は間違っていなかった。

決戦大会では、本命はお目にかかれなかった。「結果はともかく、好きなことを楽しめたのだから、最高の癒やしになりました」。飯岡のマダイダービーは2015年に次いで、2度目の優勝になる。もちろん、来年も頂点を狙う。「まずは、大きなタイが釣れる時期に集中して釣行できるか? 次に食わせた時にどれだけガンガン巻くことができるか? これが課題ですね」。最後まで笑顔を絶やさなかった。

最終決戦は後半、ヒートアップした。午後0時50分から約1時間、最初に入った飯岡沖30メートルは、潮が澄みすぎてアタリすらなかった。カジを取った梅花亮佑船長(30)は、「少しでも日光が届かず、濁りが入っていそうな深場に賭けてみる」と、ポイントを同沖50メートルに移動した。

好判断だった。午後2時50分ごろ、左舷ミヨシ(最前方)から3番目、渡辺久衛さん(38=福島県棚倉町)のサオが大きく絞り込まれる。4・37キロがタモに取り込まれた。「2キロくらいかと思った。奇跡です」と獲物を見つめた。昨年も上位20人に入ったが、最終決戦はシケで中止。初出場で引き味を堪能した。

35分後、今度は右トモ(最後方)2番目の北村秀春さん(53)のサオが海面に突き刺さる。他の12人が仕掛けを回収し、やりとりを見守る。この日最大の5・02キロを釣り上げた。優勝した師資田さんと同じ千葉市花見川区在住で、釣り仲間。「何回来ても楽しい」。満足そうな様子だった。

終了間際の午後4時40分に、一瀬英一さん(50=横浜市旭区)が2キロを確保。「自分も夏以降、4キロ級を3匹釣った。面白かった」。

大きくサオをあおる人、底付近を小刻みにたたく人、手首を返してリールを巻く「ショートピッチジャーク」で誘う人、腕自慢が思い思いの釣り方を見せた。

ダービー方式の最終決戦になって5年。梅花丸によると、今季は約150人が挑戦し、大物を求めてのべ500回は乗船したという。「当たり年」を象徴した決戦大会となった。

【梅花丸マダイダービー】

◆期間 9月1日から11月25日まで。

◆審査方法 マダイ2匹の合計重量。

◆エントリーのルール 1回の釣行で最大の1匹を検量。午前便で10キロ、午後便で8キロを釣れば18キロとなる。午前便で6キロと5キロを釣っても、6キロにしかならない。すでに10キロと8キロの2匹をそろえて18キロを計上していても、期間内の別の釣行で9キロを釣れば、軽いサイズを入れ替えられる。この場合、19キロにアップする。最終決戦で一発大ダイが釣れた場合、入れ替え可能。

▼船 飯岡「梅花丸」【電話】0479・57・2145。午前便は4時30分、午後便は11時に船宿集合。料金は要確認。ヒラメの午前便もあり。