南房・太海 コマセ釣り解禁 メジナ35センチ級

太海のコマセ釣り解禁で鵜澤さんもニッコリ。いいサイズのメジナだ

<磯&砂浜&堤防パラダイス>

南房・太海で磯メジナを対象としたコマセ釣りが今月4日から解禁となった。さっそく磯マスター、鵜澤政則さんが現地に飛んで調査してきた。今冬は「潮温高め」が続いていたため、メジナの好物である海苔(のり)が岩に付きにくい状態。魚の寄りが悪くないかが心配の種だ。

肌に突き刺さる風が痛い。ここにきて気温がキューンと下がってきた。正月を越えてようやく冬将軍がやってきたようだ。ただ、潮温は17~18度をウロウロしていて、例年より高めだ。ゆっくりと徐々にしか下がらないのが現状だ。

千葉・南房の太海「新海荘」に5日、顔を出してきた。集合は午前6時30分が目安となる。何が起こるか分からない世の中なので、同6時ごろには到着しているといいだろう。

この日渡ったのは、太海仁右衛門島からすぐの雨乞(あまごい)西の離れ。この磯は人気の磯の1つ。南北に長く、西向きがポイントで数釣りもサイズ狙いも期待できる。潮の流れ具合によって足元、沖目両方を攻めることができる。潮の流れで食い方がガラッと変わるので狙いも潮に合わせて変える工夫が求められる。

南西からの風や波がある釣況では厳しいポイントになるが、この日はナライ(北東風)でほぼ問題なかった。足場も良く、水深は8~9メートルあるので魚の取り込みも房総にしては釣りやすい。この日の干潮は午前8時、潮が満ちるのは午後2時過ぎになる。潮の干満も事前にチェックしておこう。

この日の潮温は17度。まだ高めなのだが、年末から正月にかけて、急激に下がったようだ。風を背中から受ける。潮の動きはゆっくりで釣りやすいコンディションだ。コマセ解禁となった前日4日は、西風だったが夜半にやや強めの北風に変わった。おかげで波は抑えられていた。その代わり、ウネリはちょっとだけ残っていた。

潮温が高いからなのか、解禁当初でコマセが効いていないからなのか、足元にもあまりエサ取りの気配はない。

仕掛けを沖目、手前と投げてみてチェックした。何度か投入するがエサは残って戻ってくる。今年もフグは少ない。開始20分ほどで、メジナがヒットしてきた。タナは深い。7メートルくらい。最初は30センチ級、続いて35センチ級とヒットした。25センチ前後の小型も釣れるがアベレージは30センチとみていい。35センチ級を軟らかいサオでヒットさせると面白いほど突っ込んでゆく。楽しい。

正午前くらいから風が南西系に変わったため、波が心配なのでちょい早めに撤収した。

この後、ひと荒れしてもう少し潮温が下がってくると40センチ超のメジナのヒット確率は上がってくると思われる。この日、小島に上がっていた友人は良型の40センチ級のメジナとおいしそうなイサキを数匹ゲットしていた。風、波を見ながらポイントは安全第一でチョイスしたい。

大物をとりたいのなら細いハリスは使わないこと、大物は突然ヒットする。多少太くてもしっかりとタナが取れてメジナの目の前にエサを持って行けば案外食うものだ。

今冬は、エサ取りのいる場所が偏っていてフグが全く釣れない磯もある。全般的にはフグが少ないのでかなり釣りやすくメジナ狙いに集中できた。

エサ取りが少ない時は際も面白い。あまりポイントを絞らないこと、食いが落ちたら遠投したりしてあちこち探ってみたほうが良い。寒メジナ釣りは魚との知恵比べ、じっと我慢の釣りをどう楽しめるか、だ。

<鵜澤のキモ>

「沈め探り」か「2段ウキの全層沈め」でゆっくりと深いところまでを探るのがセオリー。水深があるので根掛かりの心配が少ないのがうれしい。2段ウキ「D-SUS MACRO」を選ぶ。ハリス約4メートルを取って、ジンタン7号を均等につける。仕掛け投入後、ウキが落ち着いたらゆっくりと底近くまで沈めるようにして流した。隣の磯では先に乗って釣り始めている釣り人が30センチ級を掛けてサオを曲げていた。

潮温が乱高下する場合は、メジナが神経質になるので、潮の中よりも、潮近くのたるみを狙うのが寒メジナの定番。アタリもなく付けエサを何度も取られてハリスが傷つかない場合、そのエサ取りはメジナの可能性が高い。ハリはもう1回り小さめ(グレ4~3号)を使うと良い。ハリに合わせてエサも小さめにオキアミの頭を取ってハリが隠れるくらいに付けるといい。

▼渡船 太海「新海荘」【電話】0470・92・1535、林新治代表携帯090・1659・5020。集合&渡船時間、渡船料金は要確認。宿泊(素泊まり)オキアミは1ブロック(3キロ)1000円、解凍予約もできる。