八景 常連さんと一緒だから腕上がるマダイ教室

やったぁ~、本命も釣れた

<釣りをしようよプルルン体験隊>

マダイ釣り、難しいんでしょ? いえいえ、分かりやすく指導してくれる八景「太田屋」(太田一也船長)の教室に参加してみてくださいな。今月12日、月イチ企画の「マダイ釣り教室」が太田屋で実施された。この教室、一風変わっている。普通の乗合料金で、しかもいつものように常連さんも同乗している。魚の王様、マダイを釣ってみませんか?

2019年最初のマダイ教室は12日に実施された。教室ではあるが、乗船している釣り人全員が対象ではない。この日の参加者は4人。右舷ミヨシ(船首)から順番に並んでもらった。

左舷6人と右舷2人は通常の乗合客だった。教室参加者と同じ並びのトモ(船尾)に入ったベテラン吉岡一則さん(63=横浜市)が「他の船宿でも定期的にマダイ教室とかやっているんですか」と質問された。「定期的に」という状態と乗合客と同乗する条件でのスタイルはない。

この形になったのは「ある目論見」があったからだ。約10年前に教室が始まった。職人気質のコマセマダイで、教室を開催する船宿も当時は珍しく、問い合わせも多かった。教室参加者だけで船を埋めることもできたが、そこから先に結びつかなかった。

太田一也船長 基本を覚えても、やはり何度か来てもらわなければ、コマセマダイ釣りの面白さは理解してもらえない。そこで、常連さんと一緒にして「太田屋のマダイ釣りは楽しい」という方向に切り替えるようにした。

この方向転換が意外な効果を生み出した。もともと気のいい常連が多いこともあったが、教室参加者の質問に気軽に答えて、マダイ釣りでの経験談などで会話が弾むようになった。

同時に参加者も常連の所作を観察しながら「どうやったら釣れるか」という探求心が湧き上がってくるようになっていった。

この日は船釣りを始めて1年の宮脇麻衣さん(34=横浜市)が、アジ釣り2回の小出綾音さん(24=横浜市)と初めてサオを握る藤元寿稀(ひさき)さん(25=横浜市)を引き連れて乗り込んだ。宮脇さんは「纏(まとい)愛好会に入っていて、そこのおじさんが釣り好きで、いきなりワラサ釣りに誘われたんです。ワラサが魚であることも知らずに」と話し、以後、いろいろな釣りを経験したものの、マダイをちゃんと釣りたいとインターネットを眺めていたら、太田屋のHPで教室告知を見て申し込んだ。

藤元さんは「釣りって面白そう」と思っていたが、なかなか機会がなくて、宮脇さんと小出さんがマダイ教室の話題で盛り上がっていたのに便乗して「私も行く」。勢いで参加したが「何も分からない私でも、分かりやすいように解説してくれてよかった」と話した。講師の新井利行さんに手取り足取り教えてもらい、その通りに操作していたらイナダがヒットして、しかもマダイまで釣れてしまった。「引きがすごい。初めてなのに、いいんでしょうか。楽しいんですけど」とニコニコの笑顔だった。

飯束恭也(いいづか・たかや)さんは船釣りを始めて1年。なんとなくマダイも釣れた経験があったが「慣れた釣り人がポンポン連発するのは何でなのか。それを知りたくて申し込んだ」と話した。マダイとは縁がなかったが「タナの探し方や、徐々にタナを上にあげていく理由も理解できた。次に生かしたい」とリベンジを誓っていた。

参加者は苦戦していたが、吉岡さんは5匹でサオ頭になり、通称「シャチョー」の斉藤秀夫さん(71=渋谷区)は1・2キロをきっちり釣っていた。いいお手本を間近で見ながら腕を上げられる。2月は極寒の状況なので、教室はお休みするが、3月中~下旬で募集する予定なのでコマセマダイに興味を持っているみなさん、よろしくお願いしまーす。【寺沢卓】

▼船 八景「太田屋」【電話】045・782・4657。教室の集合は午前6時20分、講義後に出船。コマセマダイ乗合と同じでエサ、氷付きで1万500円。