相模湖 ワカサギ専用屋形船 寒くない!魚もでかい

ワイワイガヤガヤとにぎやか。屋形船ワカサギ、楽しー

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

ここのところ紙面で写真掲載していた相模湖「柴田」のワカサギ釣り専用屋形船、潜入してきました。寒くない。おしゃべりしながらワイワイできる。魚が大きい…いろいろと楽しい要素が詰まっていた。見た目だけじゃない! ワカサギ釣り初体験の女子も飛び込んできて、にぎやかな取材になりました。

中央道相模湖IC(インターチェンジ)で下車して、国道20号にぶつかるT字路交差点を右折して20秒で「柴田」に到着する。駐車場に車を置いて、荷物が多ければ、電動リフトがあるので、湖の際まで降下させて運ぶことができる。ダム湖特有の臼(うす)型。つづら折りのスロープを下りていくと湖面が広がる。柴田の浮き桟橋からちょっと離れた沖に…あれ? 屋形船がポツン。その横をブラックバスを狙うエレキ(船外機)をつけたボートがスーッ、と通り過ぎた。湖に屋形船。違和感、満載だ。

浮き桟橋からボートに乗って移動する。磯釣りなどと同じ渡船だ。桟橋を離れて1分。屋形船到着。横付けして、窓から荷物を入れ込んで、ミヨシ(船首)から「よいしょ」と移動する。靴を脱いで、サッシのガラス扉の左側を横にスライドさせて船内に入った。10個の白い箱が床に設置してあり、横のストッパーを解除するとふたが開く仕組みになっている。

水の色は深緑。湖面から1メートルぐらいは目視できる。水深は約10メートル。魚探(魚群探知機)を持っている釣り人に画面を見せてもらったが、底の方に影がもや~、と浮かんで消えて、ときどき幅が広くなる。ワカサギの群れだ。常連さんに聞くと「湖面から5~6メートルにも反応が見えるけど、これは食わない。底狙いでいいかも」とアドバイスをいただいた。よし、釣るか!

白い箱は左右に5個ずつ計10個。10人限定だ。隣には、ワカサギ釣りが「初めてです」という森瑛子(あきこ)さん(30=青梅市、彼氏大募集中)。地元の先輩酒井俊さん(34)にくっついてきた。森さんは沖縄でグルクンのサビキ釣り、ミーバイハタ類の底釣りなどの経験はあるが、ワカサギのような小さな魚は初めて。「えー、氷に穴をあけるのかと思ってたら、違うんですね。それに船の中、しかも屋形の意外性。すてきです」と、釣る前からノリノリだ。

ちなみに森さん、最初、エサの赤虫はつけられず酒井さんにSOS。「この頭の黒い部分を刺せばいいのよ」と、ていねいに酒井さんがハリに赤虫をつけていく。

底まで仕掛けを落として、サオを上下に揺らしてから「このあとピタリと止める。ずっと動かしていると食えなくなっちゃうから、ワカサギに食うチャンスを与えてやる」と酒井さん、素晴らしい指導ぶり。森さんは「うん、うん」と、首を縦にうなずきながら両手でモーターリールのサオを握る。

動きを止めて約5秒、サオ先が激しく震えた。なんとなく合わせる森さん、リールを巻き上げると、人生初のワカサギ、ゲットだ。「キャー、うれしい。釣れちゃった」。体を揺らして大喜びだ。

しばらくすると、森さん、勝手に赤虫をつまんでハリに刺す…ハリに刺す…釣れたワカサギを外す。完璧な釣り人になっていた。ワカサギ釣り-しかも屋内釣り施設の場合、寒さが邪魔しないので釣りに集中できる。短時間で釣りの技量もあがる。常連にいたっては仕掛けを下げたまま、ミヨシにたばこ(室内禁煙)を吸いに離れて「散歩だね。ボートじゃこれはできない。しかもそのまま放置プレーにしとくと多点で掛かるんだよ」と5匹の一荷などもあった。

酒井さんがバッグからマルキユー「寄せっコ」という集魚材を取り出した。魚の形をしていて、尾の部分を切断すると魚が好むエキスがにじみ出てくる。もっとも上のハリに引っ掛けるとワカサギが集まってヒットする。ブドウ虫の使い方を想像してもらうといい。食いの渋ったときの必殺技として使うといいだろう。

酒井さんは「あんまり早く来なくても9時ぐらいから始めてもいい。そうすると日光が船内にさして、さらに暖かくなる」と屋形船の時間差使用の裏技も教えてくれた。

1日のほほんと屋形船で過ごして260匹釣った経験を持つ鷹野英明さん(59=青梅市)は、この日は外のボートでサオを出し「屋形船も外のボートも面白いね。ここのワカサギ、でかいからね」とニッコリ。ボートではベテラン西山好隆さん(68=相模原市)もサオを出していて「どっちにせよ。まだ底狙いかなぁ」と教えてくれた。

屋形船は今月7日から始まったばかり。これから2月になるとさらに寒気が強く差し込んでくる。ぬくぬくとサオを出すのなら、もってこいだ。違和感たっぷりの湖の屋形船体験、どうですか? 【寺沢卓】

▼相模湖「柴田」【電話】070・3660・6363。出舟は午前6時30分。屋形船の乗船料金は4000円。