東京湾 シーバスやる気だ、真冬の釣りにピッタリ

タコボウズ記者もスズキ、ゲットだぜ!

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

キューン、と寒さが厳しくなってきた。風は冷たいし、背筋は凍る…こんな真冬の釣りにピッタリなのが、東京湾のジギングシーバスだ。川崎「つり幸」では、年明けから大きな“スズキ”クラスがヒットしている。もちろん、セイゴ級のかわいい個体も少なくない。ただ、この時期にでっけぇ魚を釣りたいなら、ジギングで汗をかいて、スポーツ感覚で東京湾に繰り出してみよう!

重さ60グラム。今、東京湾でシーバスがよく当たるメタルジグの重さだ。わずかに60グラムだ。近所のコンビニでもいい。お菓子の袋の裏側に内容量が書いてある。おそらく、60グラム前後が何かあるだろう。もしくは、60グラムを超える物もあるだろう。いま一度、手に持って考えてほしい。

こんなに軽いルアーで一体何が釣れるのか?

東京湾シーバス。成魚は「スズキ」という。いわゆる出世魚でサイズによって名前を変えていく。以前は70センチ超をスズキと称していたが、60センチ以上でスズキを名乗るのは「よし」とされてきた。スズキの前が「フッコ」、そして30センチぐらいまでは「セイゴ」と呼んでいる。現在、わずか60グラムのジグでスズキが釣れているのだ。ちょっとした「東京湾、早春の珍事」といえそうなんである。

マッチ・ザ・ベイト。

「ベイト」は「エサになる小魚」の意味で、ルアーを選ぶとき、釣ろうとしている魚がどんなエサを捕食しているかを探って、使用するルアーの大きさを「それ相応」に合わせることを指す。ここのところスズキクラスをキャッチしている「つり幸」によると「今、シーバスの食うベイトは小さなイワシなんじゃないかと思われる。そうすると60グラム前後のジグがぴったり」と解説する。

現場の感触をつかむ船宿の証言ほど確かなものはない。1月26日に乗船してきた。海はやや荒れ気味だったが、シーバスの活性は落ちていないようだ。水深25~30メートルのポイントの宙層でヒットする傾向が高いらしい。やや濁りが入っていたこともあって、赤にラメの入ったキンキラキンのジグを落としてみた。重さは推奨の60グラムだ。

やはりシーバスのジグに向かってくる“やる気”はなかなかのようで、船中で立て続けにヒットした。ちなみに投じたルアーに魚が絡んでちょっかいを頻繁に出す状態をルアーマンは「やる気があるね、この魚」と表現することが多い。どうやら、東京湾のシーバス、やる気でみちみちているようだ。

タコボウズ記者も何投かしてガツンときた。正確にはジグが着底する前に動きが止まって様子がおかしかったので、すぐにリールを巻いたら重かった。ギュン、と綱引きをするように引っ張られ、明らかに魚が食らいついてきた。ラインの張りを落とさずにリールを巻き上げた。魚影が見えた。タモ網ですくいとると64センチ。デカい。

フォールで食った。カッコつけて横文字で表現するわけではないが、ジグが海中で落ちていくときに魚が食いついてくる。「フォール」が「落ちる」なので、ルアーマンは一般的に「フォールで食ってきた」などという。魚の活性がいい証拠でもある。

その後、取材をしながらほぼフォールで3匹ヒットした。しかもすべてスズキクラス。シーバスは群れで行動するため、釣れるときは次々に釣れてしまう。この日は釣り人が多かったため、2隻での出船となった。タコボウズ記者の船は大物狙いで、場所を何度か変えたこともあり、トップは8匹。別船は同じ場所で粘って群れの回遊にドンピシャ、サオ頭で30匹、次頭は24匹と大漁だった。

わずか60グラム。色をいくつかそろえて川崎「つり幸」を訪ねてください。早起きが苦手なら午後便もありますよ。サオもレンタルできるので、今冬はシーバスデビューしてください。なにせ、シーバスに“やる気”がありますから。【寺沢卓】

▼船 川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。シーバス船は午前/午後の両便あり。氷付きで6500円。