房総・富浦 アマダイが主役、前日泊でゆったり釣行

築地の親方は53センチを釣り上げた

<釣りをしようよ プルルン体験隊>

せかせかしないで房総旅を楽しもう。今冬はアマダイが主役だ。富浦「共栄丸」でも1月27日から午後便でスタートした。そう、午後便だけど-あえて釣行前日から現地に乗り込んでみようか。午後便を開拓したい“オカマリ”こと歌手岡田万里奈(25)と、釣りの「ビュホー&アフター」にこだわる“海のおじさん”木村尚(たかし)さん(62)が、ゆったり釣行を提案しちゃう。

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アマダイ。2018-19年シーズンの間違いなく主役の魚だ。いまや、外房から駿河湾まで、荒天でなければアマダイ船の出ない日はないぐらいだ。木村さんにとって、17年からの宿題となっている魚でもある。なにしろまだ釣ったことのない獲物なのだ。

そこで、通常とは違うパターンで房総に渡ってみた。富浦「共栄丸」では午前便のマダイの次に午後1時30分出船でアマダイを狙える。早朝に起きて港を目指さなくてもよい。だが、今回はもっと余裕を持って前日昼から現地入りしてみた。

木村さん こんなに気持ちに余裕のある移動もないねえ。以前から主張してきたんだけどビュホー(釣り前)とアフター(釣り後)を充実させたい。こりゃ、いいね。

かつてJR東日本の保養所だった「ファミリーオ館山」に宿泊した。ひと部屋ごとが広くて、しかもすべてオーシャンビューの50部屋。かなりのぜいたくだ。部屋のタイプも多種あって、キッチンと6畳間のついた部屋もあって、これなら「アフター」利用で釣果を持ち込んで、ちょっとしたパーティーもできそうだ。

チェックインは午後3時なのだが、ちょい早めに到着したので「では、お風呂でもどうぞ」と斉藤秀雄支配人に勧められた。大浴場は湯気が立ちこめて、凍えた体が湯船に入る前から温かくなってしまう。湯にどぶん…気持ちいい。

木村さん これが旅のダイナミズムですね。釣りって早起きして船に乗って、釣りをしたら渋滞を気にしてすぐ帰る。現地を味わうひまというか余裕がない。釣りで過ごす構造改革がもうそろそろ必要かも。

夜は地元のお店(いずれ紹介します)で気分よく食事をして早めの就寝。翌朝もアマダイは午後便なので、館内のイタリアンレストラン「ボーノ!」で落ちついて朝食をとって、さらに朝風呂につかって過ごしてみた。まだサオを出していないのにこの充実感。

オカマリとは富浦港集合。実験として試した前日泊の話をすると「えー、いーな、次回はそのコースに乗っかりたいです」とオカマリはほおを膨らまし、その言葉を聞いて木村さんはニヤリ。ゆったり釣行の輪が広がりそうだ。

さて、釣りだが「共栄丸」では、アマダイ初日の1月27日は53センチのビッグヒットが出た。今季、大型が飛び出すアマダイ釣りの傾向がそのまま出ている。釣行日は30日、中盤で木村さんが手のひらに乗るぐらいの小さい個体をキャッチ。3年越しで人生初の記念すべきアマダイとなった。

木村さん うれしいけど、その直後に釣った。トラギスが私の釣った初アマより大きかったのに笑ってしまった。マハタやヒメコダイ、カナガシラ…外道だけどおいしい白身魚ばかり。これはこれでうれしい。

残念ながらオカマリはトラギスばかりで本命はかすりもせず。同乗していた築地場外の玉子焼「山長(やまちょう)」の松江研一さん(69)がラストで53センチ(1・6キロ)を釣り上げた。木村さんがかねて「親方」と呼ぶ人物だ。

木村さん 親方、スゴいよね。玉子焼を売ってるだけじゃなくて、釣るもんなぁ。素晴らしい。

現在は、ハリス3号2メートル2本バリ。オモリは80号で着底したらハリス分の2メートルを巻きあげて、ときどき上下にサオ先を動かして誘いを入れるといいようだ。

また、富浦には来なければ。釣ったアマダイをおいしく房総でいただくアフターの旅を宿題にした。【寺沢卓】

▼船 富浦「共栄丸」【電話】090・7244・0460。午後アマダイは午後1時30分出船で、エサ氷付きで6000円。午前マダイも出てます。

▼宿泊 ホテルファミリーオ館山【電話】0470・22・8861。時期にもよるが2食1泊で9100円~、素泊まりなら6200円~。ペットとの宿泊や「花火付き」という夏限定のプランもある。レストランでは事前予約があれば釣った魚の調理もしてくれる。