千葉・金谷 クロダイ、ノッコミ気配が漂う

粘りの勝利。内田さんは同じ場所でサオを出して3匹のクロダイを釣り上げた

1年の中でも最も寒さが差し込む…はずなのに暖かい。こりゃ、なんかオカシイぞ。磯釣りマイスター鵜澤政則さんが2月27日、千葉・内房の金谷の沖磯に仲間と渡った。2月9日に開幕した「日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」磯クロダイ部門の様子を探るためだ。さてさて、どんなリポートになるのでしょうか?

今冬、荒れた日があきれるほど多かった。これは本当にまいった。どんなに釣りに出たくても、天気には勝てない。募る無念を胸にしまい込んで、空を眺めながらチャンスを待っていた。2月27日、内房・金谷でそのチャンスが訪れた。

現在は冬から春への過渡期。まだまだ、まだまだお天気は安定してくれないが、ひな祭りも終わったし、これから徐々に沖根(沖の磯の意味)に繰り出せる日も増えてくるものと思われる。ワクワクしてくる。

朝6時30分に出船となる。過去の例ならば、金谷の沖根だと、南のはじっこの平島に行っていたのだが、今シーズンはまだそのエリアではメジナの姿が目立つようだ。そんなこんなで陸に近いポイントにクロダイが寄っているみたいだ。そうなると「カブト島」というチョイスがよさそうだ。金谷磯に詳しい知人と3人で磯に上がった。

この日の潮温は15・8度。やはり高めだ。メジナが元気なのもうなずける。

予報は、まず「北の風」。そして、太陽は顔を見せてくれて、だんだんと雲で隠れていくようだ。北風の影響なのか、やや肌寒い。

前日(2月26日)までのうねりが残っていてカブト島の南側の低い場所では下りて釣りはできないので、うろうろとあっちこっちをチェックしてまわった。慌てて釣りを始めるのではなく、この「探り」と「想像力」の事前準備は習慣にするのをおすすめしたい。

結果、どうも海藻の育ちが遅いということが見えてきた。いろいろ考慮して、北側の風に向かった側でサオを出してみた。タナ(魚の泳層)は私の定石通りに5メートルから始めてみた。

コマセを打ち始めて少したったころ、ウキがきれいに入って強い引き…ギュン。おお、クロダイか! などとワクワク。ありゃ、突っ込みが強すぎる。あがってきたのは40センチ近いメジナだった。

その後もエサ取りはほとんどなくて、メジナのアタリが連発した。

いつも日本各地でメジナをメインに狙っているから良型はうれしい。しかし、この日のターゲットはクロダイ。やや残念なような複雑な心境になる。金谷の磯は昨年末からメジナが目立ってきた。今冬はグッドサイズが目を引き、平均にすると35センチ前後で、45センチなんていう大物まで出ている。

それに加えて、マダイの回遊も増えてきた。潮の通る磯場ではマダイゲットや、仕掛けをブチ切られる報告もあってにぎやかだ。こういう他魚は大歓迎。やはり釣りの楽しさは予想していない本命であれ、他魚であれ大物とのやりとりはたまらない。それがマダイですよ。

その後もぽつぽつではあるが良型のメジナがサオを大きく曲げてくれた。そうこうしているうちに隣の沖側で朝からずっと同じポイントで粘っていた内田勝蔵さん(君津市)に待望の42センチの本命クロダイ。午後に入ってもそこでずっと粘って再びクロダイ2連続でヒットして、大きいのは46センチ超だった。

ここの水深は5~6メートルで、内田さんはカヤ製の金谷ウキ仕掛けで底にエサをはわせるような状態で釣っていた。よし、次は私が、と粘ったがこの日のクロダイはこれで打ち止め。でも良型のメジナと何匹もファイトしたので気分的には満足できた。

この日は金谷の磯全体でもクロダイは4枚。決して多くはないが、日によってばらつきが出る。今のところ他魚はメジナの良型とメバルであるが、しばらくするとマダイも参戦しそうだ。クロダイのノッコミ気配も漂ってきている。

金谷「岡澤釣具店」のクロダイ「サーキット予選」は5月の“新元号連休”まで開催され、5月6日が決勝になる。大物上位14人で名誉とカップと豪華景品を競うことになる。

ここの常連メンバーの仕掛けはクロダイ釣りにしては太め。サオは1・5号、ハリスは2号がスタンダードだ。水深が浅くて根も海藻もきつい釣りなので、掛けた大物をバラさないという強い信念を感じる。さあ、挑戦、待ってますよ。

▼渡船 金谷「岡澤釣具店」【電話】0439・69・2232。渡船時間は季節によって違うので要確認。料金は4000円。予選は5月5日まで。クロダイ1匹の全長(同寸の場合は重量)審査で、上位14人を選出し、翌6日に決勝を開催する。渡船料金のほか予選参加料金は1000円、1回登録すれば、期間内なら何度でも挑戦できる。