和歌山・日高川龍神地区 成育良好美形アマゴ43匹

深みを探ると目印を飛ばすアタリで美形アマゴが食ってきた

<渓流FISHING>

渓谷に春の訪れを告げる渓流釣りが開幕! 和歌山県田辺市・日高川の龍神地区へ先日、美形アマゴを求めて出掛けた。早朝から支流の古河に入渓。昨年の台風で川底の起伏がなくなり、水深が浅くなったポイントもみられたが、キンパクをエサに淵や瀬脇、石裏の深みを狙うと活発なエサ追いが続き、正午すぎまでに13・5~25センチを43匹ビクに収めた。渇水で厳しい状況だったが、ぽってりとしたコンディションの良いアマゴに出合え、大満足の釣行だった。

野生の生命力に感激した。大水災害もなんの、アマゴは強かった。午前7時すぎ、大熊の出合橋から50メートルほど上流にある山道から古河に入渓した。天気は曇りで冷え込みもなくアマゴ釣りには最適だ。しかし、水が少なく昨年の台風の影響で川底が上がり、淵も浅くなっていて不安がよぎる。

まずは、瀬落ちの小さな淵から攻める。エサはキンパク。仕掛けにG3オモリを打ち、瀬落ちの白泡へ静かにエサを振り込む。そしてラインを送り、仕掛けが底流れをとらえた数秒後、淵尻のかけ上がりで目印がフッと止まった。

少し仕掛けを送り込んでから合わせるとグンと竿に重みが乗る。今シーズンの第1号はブルーのパーマークに朱点を散りばめた美しい18センチ。べっぴんアマゴだ。しかも、エサをたっぷり食べているようで魚体が太い。川が荒れ、水も少ないが、魚のコンディションは良好のようでホッとした。

次は瀬を攻める。ここもかなり浅くなっているが、少し掘れ込んでいる石裏のヨレに仕掛けを入れると、勢いよくエサを追ってきてヒュンと目印が走る。掛かったのは16センチのヒレピン。これも美形で心がなごむ。

その後も、瀬脇や淵の深みで18~22センチの良型が掛かり、ツツーンと竿に響くアタリや、仕掛けの着水と同時に目印を引き込む活発なエサ追いが続く。楽しい。

大小の深みをくまなく探っていくと、ビクがどんどん重くなり、午前10時ごろに絶好のポイントを発見。頭上に木が覆いかぶさる淵に出た。すかさずサイドスローで仕掛けを投入。エサをナチュラルに流し込むと目印がスーッと水中へ。

合わせるとグネグネと頭を振って暴れる良型の手応え。木をかわしながら下流へ誘導し、タモに収めたのはボッテリとした25センチ。会心の1匹に思わず笑みがこぼれた。その後も、順調に竿が曲がり、ビクがいっぱいになった正午すぎに納竿した。数えると13・5~25センチが43匹。大水に耐えて成長したたくましいアマゴとの出合いに、例年以上の喜びを感じる春の渓だった。【日刊FPC・下田成人】

【今後の見通し】釣行後は全体的に食いが上向いており、エサ追いが活発になっている。昨年に比べて気温が高く、瀬でも良型が釣れている。今年は川虫が多いのが特徴で早くも羽化している虫もいるほど。増水後の引き水時が数釣りのチャンス。現地に状況を確認してから釣行してほしい。

【問い合わせ】松阪食堂【電話】0739・79・0259。入漁券は年券5400円、日券2160円。生イクラ・川虫の購入は要予約。同食堂の松阪正澄さんが現地の情報に詳しい。

【交通】阪和自動車道の有田ICを有田・金屋方面に出て県道22号、国道424、425、371号を経由して龍神温泉方面へ。温泉トンネルを抜けると右側に同食堂。