徳島・鳴門堂ノ浦 常連のテクで良型サヨリ92匹

のべ竿のウキ釣りで釣った良型サヨリを披露する前川さん

<筏カセFISHING>

桜も開花し、いよいよ海釣りシーズンが本格化する4月。ベテランからビギナーまで楽しめるのが徳島・鳴門の堂ノ浦(ウチノ海)のかかり釣り場だ。潮通しがいいカセでは良型サヨリの数釣りが続いており、終盤を迎え身が太くなっていく今が狙い時だ。屋形(筏)ではバーベキューを楽しみながらのサビキ釣りがお薦め。脂の乗ったマイワシが釣れる。ちょい投げでは花見カレイも上がっており、チヌの乗っ込みも始まる。天候が安定してくるこれからの行楽シーズンに出掛けてみてはいかがですか。【近江康輔】

ベテランにはゲーム性が高いサヨリ釣りがお薦め。グレ釣りにも似ている部分があり、磯が荒れた日にはフカセ釣り師が足繁く通う。この釣りの魅力は腕の差がはっきり出るところ。のべ竿を使ったシンプルなウキ釣りだが奥が深い。まき餌(ヌカ、アミエビ、海水)の配分やまき餌の打ち方、タナ、アタリの見極めによって釣果が大きく変わる。

3月29日に27~35センチを92匹も釣り上げた常連の前川忠久さん(三豊市)によると「外海が荒れるとここに来ます。サヨリはグレと同じで小さなオキアミの頭だけをとっていくこともある。手ごわいです。カセ場は潮の流れがころころ変わるので、潮の流れを見極めながらのまき餌ワーク、刺し餌の入れどころを探すのが面白いです」と話す。

細川渡船の高橋勝船長も「その日の状況によっていろんなパターンがあります。試行錯誤しながらまき餌、餌付け、手返しなどすべてにおいて丁寧な釣りをしないと数が釣れません。はまると月に10回も来る人がいますからね」とイチ押しのコメント。

また、ビギナーには屋形(屋根、防風シート付きの筏)が人気だ。仲間内で貸し切りにすれば、盛り上がること間違いなし。3月31日には香川の吉本、石井さんらファミリーがバーベキュー&イワシのサビキ釣りを満喫。「屋形は家族水入らずで和気あいあいと楽しめるのがいい。子供たちが大喜びです。釣ったイワシはその場で刺し身にして食べました。美味しかったですよ」と声を弾ませる。

奥まった湾にあるウチノ海はめったなことでは波が立たない穏やかな釣り場なので、これからの行楽シーズンに最適だ。鳴門海峡に隣接していることから、魚影が濃く魚種も豊富で子供たちに魚釣りの楽しさを体験させてあげるにはもってこい。竿先がブルブルと震える小気味良いアタリに歓喜の声が聞こえてくる。

◆高橋勝船長の必釣アドバイス ▽サヨリはまき餌の仕方とタナ合わせが大事です。ウキがスーッと入るが掛からないときはタナを少し深くしてください。また、針を飲み込んでいるときや食い上げアタリが出るときはタナが深すぎることになります。まき餌は少量のアミエビと多めのヌカ、たっぷりの海水でしゃばしゃばのものを作り、間断なく少量をまき続けることが基本ですが、餌取りが多いときはアミエビが多めのものと、少なめのものを作り、打ち分けるといいでしょう。▽イワシは掛かってから少しの間、放置するのがコツ。すぐに仕掛けを引き上げると2、3匹は外れてしまうが、放置すると弱るのでバラシが減ります。また掛かったまま放置することで、ほかのイワシも刺激され群れが移動しにくくなります。これを2本の竿で交互に行うと数が釣れる。

【今後の見通し】サヨリはこれから身が太くなり35センチを平均に38センチまでが4月の末まで狙える。マイワシは群れが大きく、しばらくは釣れ続きそう。特定の場所に居ついていないのでしっかりとまき餌をきかせて回遊を待つことが大事。ほかにも肉厚の花見カレイが釣れており、ダンゴ釣りで狙う乗っ込みチヌやマダイも好機を迎える。

【問い合わせ】細川渡船【電話】090・3180・3960。カセは4500円、屋形は4000円、子供(小6まで)2000円。出船は午前7時から随時。最終の迎えは午後4時。バーベキューセット(使い捨ての紙食器付き)1500円。練炭は500円。

【交通】神戸淡路鳴門自動車道・鳴門北ICを出て、県道11号で鳴門市街方面へ。ボートレース鳴門前を右折し、同42号に入り、明神の交差点を右折。突き当たりを右折して堂ノ浦へ。