千葉・内房勝山 マダイ大漁、6キロ超の大ダイも

清水さんの釣り上げたマダイ。もうおなかパンパン

<パパかっこいい! 大人の釣り>

やはり今年はマダイがいい。千葉・内房の勝山「宝生(ほうせい)丸」(高橋賢一船長)では6キロ超の大ダイがちょいちょい顔をみせている。「マダイ、って難しいんでしょ?」。ある一定のルールがあるので、そこさえ踏み外していなければ釣れちゃいます。今春はマダイの食い気が立っていて、始めるならチャンスですよ。この3月に船を新しくしたばかりの宝生丸に行ってみましょうか!

七福神の恵比寿さまが、釣りザオと一緒に大事そうに抱えているのがマダイ。釣り人ではなくとも「いつかはマダイ」と念じる魚ではなかろうか?

今、チャンスなんですよ。

日刊スポーツでは東京湾の4地区(千葉・富浦、勝山、神奈川・八景、久里浜)、静岡・駿河湾の4地区(安良里、戸田、久料、御前崎)で5月19日まで3匹の合計重量で競うマダイダービーを行っており、熱戦が繰り広げられている。

マダイ釣りは「大きさの春」「数の秋」との定説があって、今の時期はでっかいマダイを狙えるのだ。「ノッコミ」と呼ばれる産卵行動がサクラが咲いて散るころに重なるため、釣れる大きなマダイは「サクラダイ」とも呼ばれている。

おなかがぷっくりと膨れたメスと、婚姻色で黒くすすけたオスが釣れる。ちなみに「数の秋」というのは、春の産卵で生まれて育ったキラキラした400グラム~2キロ未満の元気な小ダイがたくさん釣れる意味が含まれている。

ところが、今春は数も期待できる。初めてのマダイ、だからチャンスなのだ。

東京湾で盛り上がっている「Tokyo Bayマダイダービー」の10日現在のトップは清水威人史(たけとし)さん(46=久喜市)で、勝山「宝生丸」の常連だ。清水さんが乗船すると聞いて同乗した。

勝山港の朝は早い。まだほの暗い午前5時には船は港を離れてしまう。この船は「第二十一宝生丸」。神奈川・三浦の造船所で作られた新造船で、3月4日にこぼれんばかりの大漁旗をはためかせて進水式を行ったばかりだった。

総重量17トンで、釣り座も広々だ。ナギで青空が広がっていたら、釣りを忘れてゴロンと横になって気持ちよくマダイを釣っている夢でもみられそうだ。取材日は風が強く、午前9時40分で早あがりをしたが、どっしりと構えて波の荒さを吸収するような安定した乗り心地だった。第二十一宝生丸、頼もしい。

大荒れの海の中、マダイの動きは悪くない。清水さん、この短い時間の中で5匹を釣り上げた。最大が2・5キロ。十分すぎるぐらいに大きいのだが、ダービートップの清水さんは「入れ替えるタイではなかった。残念」。う~ん、目標値が高い。

だからといって、清水さん、特別なことをやっているわけではない。

船長から指示される「タナ」という数字がある。これはオキアミを入れるコマセカゴの海面からの距離を指している。この位置が少しでも上下で違っていると、マダイの回遊する層にオキアミを掛けたハリが届かないのだ。

この日は「45メートル」と指示された。ハリスの長さは10メートルだが、あまりコマセカゴを下げてしまうと、マダイにその“異物”を見つけられて、食いが鈍くなるので、指示ダナに5メートルを足す。つまり50メートルまでコマセカゴを下げて、大きく振ってオキアミをぱらんぱらんと出す。そこから45メートルに固定して待つ。これがマダイが釣れるための「ルール」なのだ。

それと大事なのは、指示ダナを合わせるときは電動リールの表示は信じない。釣り具メーカーにケンカを売るわけではなく、表示には誤差が生じることがある。だから、道糸の色で確認する。10メートルごとに道糸の色が変わり、さらに1メートルごとに表示が打ってある。道糸は正確なので、原始的ではあるが「道糸を読む」習慣は体に染みこませてほしい。

あとは、回数をこなして慣れる。決してマダイは高根の花じゃありませんよ。【寺沢卓】

▼船 勝山「宝生丸」【電話】0470・55・2777。乗合マダイは出船が午前5時と午後1時の2便。午前便は氷とコマセ3キロ付きで1万1000円、午後便は氷とコマセ1・5キロで6500円。第二十一宝生丸のデビューを記念して、女性半額サービスをしてまーす。

▼ダービー 参加費は最初の1回だけ1000円で「恵比須さまの大漁袋」、日刊スポーツのロゴの入った魚保存用の厚手のポリ袋を参加賞として差し上げます。東京湾は「宝生丸」以外に富浦「共栄丸」、八景「太田屋」、久里浜「大正丸」の4地区。3匹の合計重量勝負で、5月19日までの期間内なら何度でも挑戦できます。1匹からの入れ替え可能。