東京湾でマダイ釣り 「外掛け結び」を覚えよう

(1)本線はハリの軸内側に沿わせて、ハリのカーブ手前で輪っかをつくる。ハリスの交差する部分を親指で押さえる。最後に端糸を入れやすいように輪っかは上にしておく

<ママも一緒に! 家族で釣り>

マダイを釣るには、何が必要なのか? 糸とハリを結べるようになろう! 神奈川・横浜市の八景「太田屋」(太田一也船長)では、月1回ペースでマダイ釣り教室を実施している。未経験者はもちろん、もう1度基本からやり直したいという中級者まで誰でも参加できますよ。今年は歯の鋭い“アイツ”が邪魔する。だからこそ、結べるようになりましょっ!

天敵はトラフグだ。

マダイ釣りは、コマセとしてオキアミをまいて、魚を寄せる。集まってくる魚は本命のマダイだけではなく、アジやイナダ、ウマヅラ、カワハギ、イサキなど多種にわたる。その中にトラフグなども姿をみせる。

このトラフグがやっかいなのは、海中で光るものに反応するようで、仕掛けに使う蛍光色のビーズや、色が金や銀など光輝くハリを食いちぎってしまう。切れ味鋭いツメ切りのような歯を持っていて、いったん口に含んでもすぐに異物だけ器用に吐き出す習性を持っているという。

今春のマダイ釣りでは、トラフグの被害が相次いでいて、仕掛けを引き上げるとハリが消失していることが多く発生しているのだ。

ハリを切られたら、仕掛け全部を捨てて、既製品の新しい仕掛けを使うケースが多い。ハリを結べれば、新品のマダイ仕掛けは使わなくていい。

そこで、ハリスとハリを結ぶ代表例「外掛け結び」を紹介する。段ボールの模型を使った写真図解では分かりやすいように「ハリス」はゆるくしてあるが、実際に本線と一緒にハリを巻くときは、180度巻くごとに左手の親指でしっかり押さえて、すきまのないように。何度か試してみて、自分のやりやすい方法をみつけよう。

太田屋での釣行は今月6日。マダイが口を使ってくれず、魚探(魚群探知機)の画面には、多くの赤い影が点在し、マダイらしき気配はあっても、動かなかった。それでもトラフグの動きは盛んで、船内あちこちでハリが切られていた。

その中で、昨年から船釣りデビューした吉國宏さん(48=さいたま市)と、釣り自体が3度目の長男泰那(だいな)くん(10)の親子ペアは、マダイ1匹とトラフグ1匹を釣り上げた。「なかなか釣れなかったですが、マダイ釣りの基本を学べてよかった」と笑顔をみせた。同じく教室参加した大谷勉さん(43=横須賀市)と長男幸輝くん(15)はハナダイを釣り上げた。「昨年、アジとマダイ五目船に乗って、これが船釣りは3度目の体験。面白いです」と瞳を輝かせた。

講師の新井利行さんは「釣れない釣りのときは、どうしたら釣れるかを考える。それと、エサのついていないハリでは釣れないので、海中に入れたハリがどうなっているのか、そこはよーく確認して、海の様子を推理してほしい」と、釣れないときの楽しみ方のヒントを話してくれた。

貴重なマダイを釣った常連の大橋和将さん(44=横須賀市)は「何かサオ先がずっともぞもぞしているから、合わせたらヒットした。マダイ釣りは何があるか分からない。そこが楽しいですね」。ハリ結びの練習も兼ねて、マダイバリ8号を購入して、5月2日の教室を令和最初の釣りにしませんか?【寺沢卓】

◆船 八景「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイ釣りの乗合船は出船=午前7時15分、帰港=午後3時~4時。エサ、氷付きで1万500円。次回教室は5月2日(木、休日)で参加者募集中。講義があるので集合は午前6時20分。料金は乗合船と同じ1万500円、女性は7000円。