＜カセFISHING＞

乗っ込みの大チヌを狙おうと先日、南紀・切目崎の「庄門丸」（日刊銀鱗倶楽部加盟店）の伝馬船へ釣行した。春の嵐で波が高く、風も強くて船の位置が定まらずに苦戦したが、船が安定した一時に変化をつけたダンゴ釣りで42～50センチを4匹仕留めた。今年は悪天候が続いたせいか、釣果が伸びていないが、これから天候が安定すれば期待大。本格的な乗っ込みが始まり、大型の数釣りが期待できる。

船が安定したワンチャンスに良、大型チヌを6投で4匹仕留めた！　入ったのは乗っ込みチヌの産卵場として知られる岩代沖。朝から風が強くて船の向きが安定しない悪条件だったが、午前9時すぎ、潮の流れと、風の向きが同方向になるとチヌの食いが一変した。

チャンスとみるやオキアミ、アミエビ、ミンチさなぎをたっぷり入れた大きめのダンゴを10個ほど竿下に投入しチヌを一気に引き寄せる。まずは底トントンから中層を攻める。ボケを刺し餌にダンゴを落とし、ダンゴが割れると張らず緩めずのテンションでアタリを待つと数秒後に竿先にモタレのアタリがきた。

すかさず合わせると重量感たっぷりで、ガンガンと頭を振って暴れる大チヌの手応え。締め込みをかわしながらのポンピングで引き上げ、タモに収めたのはいぶし銀に輝く50センチジャストの乗っ込みチヌだった。

すぐに追加のダンゴを投入し、チヌの活性をさらに上げていく。そして変化のあるダンゴ釣りで食いをつなぐ。ダンゴが割れると3メートルほどラインを多めに送って刺し餌をはわせると再び、竿先を押さえる本命のアタリをとらえた。

そのまま竿先でついていきしっかり食わせたところで大合わせ。これも素早いポンピングで引き上げ42センチを追加した。底はおそらくチヌだらけ。3投目は針上40センチのライン上にダンゴを握り、べた底の刺し餌をダイレクトに食わせてみる。

すると、これも成功。狙い通り一発で食い込み、ダンゴをグイグイ引っ張っていく。潮の流れに乗って走る力強い引きをかわしながら45センチを取り込んだ。

次は船の位置がずれたのか、アタリなしが2度続く。それならと今度はオキアミをたっぷりまぜたダンゴを5個投入。刺し餌もオキアミに替えるとコンコンと明確なアタリをキャッチ。午前9時40分ごろ、銀ピカのきれいな45センチを追加した。しかし、その後は波と風が一段と強まり、やむなく午前11時すぎに撤収となった。穏やかな日なら2桁は釣れるだろうなと手応えを得た釣行だった。【日刊FPC・兼松伸行】

【今後の見通し】私の実績データでは、これからが本番だと思われる。例年に比べて乗っ込みが遅れた分、爆発的な釣果を期待したい。中層を狙えば、40センチ級のシマアジやイサギ、青ものにマダイも釣れる。

【問い合わせ】庄門丸【電話】0738・43・0517。岩代沖の伝馬船（イケス付き）の料金は1隻（2人）1万2000円。要予約。出船は夜明け。

【交通】阪和自動車の印南ICを出て、県道28号を南下。印南港の信号を左折し、国道42号に入り、切目川を越えて、約5分ほど走ると右手に同船の看板がある。