へらぶなチーム対抗戦 石原、猪飼組が雪辱V

左から2位の鈴木、南、優勝の猪飼、石原、3位の葛西涼、葛西弘一各選手

チーム(2人)でヘラブナの総重量を競う「2019年度がまかつへらぶなチーム対抗戦西日本大会」((株)がまかつ主催)が4月29日、滋賀・甲賀市の「甲南へらの池」で90組、180人が参加して行われた。例年に比べてヘラの食いがかなり渋い中、1、2回戦で6時間戦った。優勝は石原弘三選手(岡崎市)、猪飼護仁選手(常滑市)組でタナでバラケを開かせる7尺竿を使ったちょうちんのセット釣りで合計32・3キロをゲット。昨年の覇者で2位の鈴木千秋選手(大津市)、南治孝選手(川西市)組に6キロ差をつけて快勝した。2人のチームワークが光る見事な戦いぶりだった。

「最高の景色やな」。石原、猪飼選手が表彰台のてっぺんで喜びを分かち合った。昨年はそれぞれの力を出し切るも準優勝。「悔しかった」。その雪辱を果たすため1年間、毎週のように2人で得意とする7尺のちょうちんセット釣りの精度を上げることに没頭してきた。

2人の息はぴったり。「不思議ですが、猪飼君のいうことなら、素直に耳を傾けられる」(石原選手)。猪飼選手も「石原さんはすごく頼りになる。必ず釣ってくれると思っているし、それ以上に釣ってやろうと思わせてくれる人なんです」と互いに信頼を寄せる。

今年の甲南は例年と違いヘラの食いがかなり渋かった。前半はバラケを降らせて様子をみるが、釣り方が決まらず、思うような釣りができなかった。だが、この冬場のような渋い状況が2人にとっては本領を発揮する格好の舞台となった。

勝因は2人ともに浮き桟橋に入れたことと、途中からタナでバラケを開かせる冬の釣りに切り替えたことだった。2人が最も得意とする釣り方だ。1回戦終了後に2人で情報交換し、魚が寄るまでは500円玉大のかたぼそタッチのバラケを使い、アタリが出だすと、小指の先よりも少し小さめの閉めたバラケに変更。

クワセも極小の「力玉」を付け、タナで2、3回誘ったあとのチクッと入るアタリに的を絞った。2、3匹釣ると魚が薄くなるが大小のバラケを使い分け、魚が寄ったタイミングに神経を集中して数を伸ばした。

優勝が決まると「ほっとしました。前半が終わって18匹。後半は2人ともに15匹以上は釣らないと勝てないと思って必死に釣りました。しばらくは釣りをしたくないほど疲れました」と石原選手。猪飼選手も「やりきりました。2人だからできた快挙だと思います」と達成感に浸った。次は東日本大会の制覇、そして、連覇に期待がかかる。お互いの長所、ヒットパターンを吸収し合える相性の良さ、絶妙のチームワークがさらなる高みの扉をこじ開ける。【近江康輔】

◆石原弘三(いしはら・こうぞう)1969年3月8日生まれ。岡崎市在住。消防士。ヘラ釣り歴15年、ホームは豊田市の飛騨池。クラブサンデースリー所属。「2018年度がまかつへらぶなチーム対抗戦西日本大会」準優勝。

◆猪飼護仁(いかい・もりひと)1976年6月7日生まれ。常滑市在住。会社員。ヘラ釣り歴8年。ホームは豊田市の飛騨池。クラブサンデースリー所属。「2018年度がまかつへらぶなチーム対抗戦西日本大会」準優勝。