南伊豆のマダイは今が旬 BBQに温泉、王道を満喫

伊豆半島の最南端を背景にきれいなマダイを掲げる大場さん

<ママも一緒に! 家族で釣り>

南伊豆のマダイ、今が旬でございます。今月19日、南伊豆・手石「米丸」(肥田定佳船長)を本部にして、須崎「静栄丸」(土屋法久船長)と合同でマダイ釣り大会が開催される。そこで、4日に状況を探ってきた。下船後にバーベキューになだれ込む初心者グループが面白いようにマダイを釣り上げた。行くなら南伊豆のマダイですよ!

海によって見える風景はそれぞれ違う。南伊豆は切り立った崖が荒波をはね返し、奇岩があちらこちらに点在し、大自然を満喫しながらサオを出すことができる。手石港「米丸」から出て、伊豆半島の最南端・石廊崎沖がマダイの漁場となる。タナ(魚の回遊層、マダイの場合はコマセカゴの海面からの位置を示すことが多い)も50~70メートルで、電動リールを使わずとも手巻きで勝負できる水深だ。

取材日は4日。ゴールデンウイークの終盤だった。たまたま、初心者4人が同乗していた。米丸の常連・大場義史さん(56=大磯町)が、日本酒が大好きな飲み仲間4人と釣りネタで盛り上がり「じゃ、マダイを釣ってバーベキューしよう」と、酔った勢いでスケジュールを組んだ。そして、実釣がこの日だった。

大場さんの釣り仲間、大原雅人さん(56=熱海市)にも協力してもらって、2人ずつを教えながらマダイを狙った。大原さんは3年前のマダイ釣り大会の覇者で、午前6時の仕掛け投入直後に2匹を立て続けに釣り上げた。「これなら初めてでも釣れるかもね。南伊豆はヘタな小細工はせずに肥田船長の指示通りにタナを守っていれば釣れますよ」と大原さん。

大原さんの予言通りに初心者のサオも曲がった。マダイ釣りが初めての4人は、サオもライフジャケットも米丸から借りていた。

大原さんと大場さんから基本的な釣り方を教わった。船長から指示を受けたタナにハリス分を足した深さまでコマセカゴを落として、指示されたタナに固定する。ハリスの長さは10メートルなので、肥田船長から「じゃ、50メートルだな」と指示されたら、海面から60メートル落としてコマセカゴからオキアミを出すためにサオを振り上げながらリールで50メートルまで巻き戻す。

この作業だけで長田真理子さん(44=平塚市)は、開始直後に1匹、そして、もう1匹追釣した。「当たった瞬間がよく分からなかったけど、途中の引きは強い。マダイ釣り、楽しい」とほおを紅潮させた。稲野辺拓也さん(31=平塚市)も「船は1回だけあって、イナダ3匹を釣ったことがある。でも、マダイは手元の衝撃が違う。スゴい」と話した。納竿30分前に滑り込みながら1匹を釣った田中弥生さん(57=平塚市)は「途中、船に酔ってしまったけど、少し横になったら慣れました。でも、マダイが釣れると不思議だけど、酔いが吹っ飛ぶんですね」とニッコリ笑った。

残念ながら佐野敏久さん(42=平塚市)はヒラソウダしか釣れなかったが「このヒラソウダが、刺し身にしたらうまかった。釣り後のバーベキュー、最高ですね」とニコニコ顔だった。釣り上げたマダイ計7匹とウマヅラ&ヒラソウダを食材にして、一行はバーベキューに移動。幹事の大場さんは「帰りの渋滞を気にせずに温泉につかって、そのあとバーベキュー。もう南伊豆の王道を満喫しました」と話し「あっ、マダイをパエリアに入れるのを忘れた。それは、次回の宿題にします」と舌をぺろり。

せっかく南伊豆に行くなら有給をくっつけて、釣行後を有意義に楽しんでみませんか? 19日には大会も開催される。どれだけ釣れるのか楽しみだ。【寺沢卓】

▼船 手石「米丸」【電話】0558・65・1060。須崎「静栄丸」【電話】0558・22・5223。ともに港集合は午前5時。料金など詳細は要確認。