福井・若狭本郷 27センチ筆頭に良型キス続々

渡辺さんが釣った23~27センチのキス

<乗合船 FISHING>

太いシロギスが釣れていますよ! 握り応えのあるグッドサイズを求めて先日、福井・若狭本郷の「はやし渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で小浜湾に出た。良、大型に狙いを絞って蒼(あお)島周辺を探ると20センチ超がよく交じり、渡辺剛さん(福知山市)が27センチの刺し身サイズをゲット。6人で20センチ超を中心に14~27センチを134匹釣り上げた。穏やかな海で緑豊かなロケーションに癒やされながらコンコンコンとロッドをたたくキス特有の心地良いアタリと引きを楽しんだ。【近江康輔】

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しっぽで手首をバタバタとたたいて暴れる大型のキスを狙うなら今ですよ! 初夏は底潮が冷たくて真夏のような入れ掛かりはないが、小型が少ないので良、大型が釣れる確率が高い。石ゴカイを餌にした2本針の天秤仕掛けで尺クラスの実績もある蒼島周辺の砂地(水深10メートル前後)を探った。

朝一から好調に竿を曲げたのは「船のキス釣りはお手軽なのがいい」という前方の岩崎千春さん(京都市)。竿をゆっくり上下する誘いで20センチ級をコンスタントに食わせ「ブルブルッと竿先を震わすアタリがすごく楽しいです」と目を輝かせながら釣っている。

その姿に後方のベテランたちも女性に負けじと奮闘。渡辺さんや田中雅夫さん(大津市)がチョイ投げで広い範囲をゆっくりさびいて20~24センチの良型をゲット。「初夏はキスの食いが浅いので小さめの餌を使うことと最初のアタリを見送り、2度目で合わせるのがコツ」だという。記者もまねると20、23センチが針掛かり。さすが常連さん。小浜湾のキス釣りをよく知っている。

小浜湾は大型のキスが釣れるだけでなく、ロケーションの良さも大きな魅力。のどかな雰囲気に魅了されて通い続けるリピーターが多い。そんな1人、船尾の吉岡正男さん(大阪市)は「緑豊かな山々を眺めながら、のんびり竿を出しているだけですごく気持ちがいいんです」と都会の喧噪(けんそう)を忘れてほのぼのフィッシングを満喫。

他の人も同様で日が高くなる中、癒やしの釣りを楽しんでいると初夏の陽気に誘われたのか、午前10時半ごろ、渡辺さんに待望の大型がヒット。カンカンカンと竿を激しくたたく引きをみせたのはカマスのように太い27センチの大ギスだった。「これぐらいのキスを刺し身にすると、マダイよりも身が甘くておいしいんですよ」と渡辺さんがにんまり。

チャンスとばかりに林健治船長が大型のヒットポイントを丹念に攻め直すと20~25センチがポツリポツリと顔をみせ、久保田一郎さん(京都市)が25センチのカワハギもゲット。結局、6人で14~27センチ(平均20~22センチ)を134匹釣ったところで正午前に納竿した。釣ったキスは、てんぷらにするとほくほく。お店で食べるほどのおいしさに感激した。楽しみにしていた刺し身は笹づくりにしたが、渡辺さんの言う通り、絶品で、まさに釣って良し食べて良しのキス釣りだった。

【今後の見通し】しばらくは良、大型のキスがコンスタントに狙えるだろう。毎年、数匹は28センチ~尺クラスが上がっており、今年も期待できそう。底潮の水温が安定する7、8月はキスの活性がぐんと上がり、連掛けが増えて数釣りの最盛期を迎える。

【問い合わせ】はやし渡船【電話】0770・77・0591。乗合船6000円、仕立船は5人まで3万円、1人増し6000円。釣り時間は午前6時~正午まで。仕掛け、エサ常備。

【交通】大阪から中国自動車道、舞鶴若狭自動車道を利用。小浜西ICを出て国道27号に入り舞鶴方面へ約3キロで右側に同渡船。