千葉・保田 LTでイサキとアジのリレー釣り

村井丸初乗船の青木さん、イサキ31匹をゲット

<ママも一緒に! 家族で釣り>

初夏が旬といえば、イサキ。千葉・内房は保田「村井丸」(村井智博船長=55)では、ライトタックル(LT)でアジとのリレー釣りが楽しめる。鮮魚店ではなかなかお目にかかれず、なじみのない方が多いかもしれないが、鋭い引き味が楽しいし、食べてもおいしい。親切な村井船長の丁寧なアドバイス通りに釣れば、確実に確保できる。初心者入門編ともいうべき対象魚だ。

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とにかく親切に釣り方をガイドしてくれる。村井船長は、必ずその日の釣り場の水深、コマセのカゴを最初に沈める位置、どこまで上げるかなどを、アナウンスしてくれる。船べりの下に海水を注ぐホースがあり、備え付けのバケツに釣った魚を入れることができる。親切丁寧なガイドと、至れり尽くせりの装備は、30年近く前から変わらない。

LTイサキではまず、お土産のアジを釣る。コマセ釣りの入門編だ。40号のオモリ付きコマセカゴの上にあるネジを締め、下部分からコマセを出さないようにする。上の穴からだけ少量ずつ出るように調整する。

「ここは、水深60メートル。35メートルまでコマセカゴを沈め、サオを振ってコマセを出し、2メートルほど巻き上げ、10~15秒待ちます。さらに、2メートルほど上げ、またコマセを出し、10~15秒待ってください。(魚群探知機の)反応は30メートルまであります。35~30メートルを狙ってください。カゴに七~八分のコマセを詰めれば、この作業が2回分できます」。マイクを使った村井船長の、的確なアナウンスが保田沖に響く。これこそが、初心者でも釣れるための「魔法の言葉」になる。

まもなく、ブルブルと25~38センチのアジが次々と食ってきた。アタリが続くこと2時間、10~15匹は確保し、イサキの漁場へと移る。

こちらは富浦沖の水深50メートル。村井船長が指示したタナ(イサキの遊泳層)は30~25メートルとか、25~20メートル。「魔法の言葉」応用編だ。

作業はアジと同じ。しっかりサオを振ってコマセを出すと、キューンとサオ先を鋭く押さえ込むようなアタリが伝わる。タナさえつかめば、3本バリにパーフェクトも。口が軟らかいアジに比べ、硬いイサキは掛けやすい。海面にコマセカゴが見えたら引き取り、獲物が掛かった長さ3メートルのハリスの上半分をまずヒジの曲げ伸ばしを利用して引き上げる。次いで、下部分を同じように回収する。力任せに引き上げる必要はない。

「船長の指示したタナに合わせてゆっくりコマセを振った。その煙幕の中に3本バリを入れてアタリを待ったら、数が伸びた」。初めて村井丸に乗り、右舷ミヨシ(最前方)でイサキ31匹を釣った埼玉県草加市の青木裕志さん(52)は、笑顔だった。

夏を迎え、ほとんど風がない晴天続きの陽気が続けば、イサキは狙える。持ち帰ったら、ハラワタを抜き、塩焼きにすれば白身のホクホクした味わいになる。オリーブオイルを少量かければ、うま味が増す。

▼船 保田「村井丸」【電話】0470・55・1121。集合5時、出船6時、沖上がりは正午の予定。氷・コマセと氷付き9000円。船にはトイレ、お湯のポットなどを完備。http://www.muraimaru.co.jp。店舗と船着き場は少し離れているので、分かる人の車について行くといい。車の駐車証は宿で受け取り、車内の見やすい場所に置いておく。

◆問い合わせや申し込み できれば、午後1時すぎから夕方5時くらいまでに電話する。キャンセルはなるべく早めに。

◆コンビニ 最寄りは2件。村井丸の店前を走る国道127号を君津方向に約1キロ行くとセブン-イレブン、逆の館山方向に3キロほど走るとファミリーマートがある。

◆宿泊施設 「ばんや」など、村井丸で紹介してもらえる。

◆持参するといい物 タオル、帽子、カッパ上下、長靴、着替え。飲み物は多めに。水道水を入れたペットボトルをクーラーに入れて冷やせば、途中で首筋に当てたりすると気持ちいい。中には港に戻った後、頭から浴びる人もいる。

◆船上での飲食 もちろん可能。パンやおにぎりなどがつらいと思ったら、ゼリー類や甘酒、白桃など果物の缶詰をクーラーに入れ、冷やせば口に入れやすい。